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【日本スプリントの挑戦】400メートルリレー 走らざる者の苦衷 藤光謙司、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥の世界陸上

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【日本スプリントの挑戦】
400メートルリレー 走らざる者の苦衷 藤光謙司、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥の世界陸上

2017年08月12日、陸上の世界選手権男子400メートルリレー決勝で銅メダルを獲得したのは(左から)藤光、多田、桐生、飯塚だった(川口良介撮影) 2017年08月12日、陸上の世界選手権男子400メートルリレー決勝で銅メダルを獲得したのは(左から)藤光、多田、桐生、飯塚だった(川口良介撮影)

■経験と信頼が生んだ「攻めの足長」

 8月12日午前11時前。

 6万人収容のロンドンオリンピックスタジアム。

 日本は予選1組で、38秒21の3着。米国、英国に次ぐ順位で決勝に駒を進めた。やや“安全策”のバトンで無難にレースを終えたが、メダルを狙うには、このままでは厳しいことは明らかだった。

 約11時間後の決勝、日本は攻めに出た。ケンブリッジを藤光に代え、各区間で「足長」を伸ばして勝負を懸けたのである。

 バトンを持っている前の走者がどこまで近づいたら次の走者は動き出すか。その目安を何足分の位置に設定するか。それが「足長」だ。

 日本チームは予選から1-2走で半足、2-3走で半足、それぞれ目安を遠くに離した。次走者がワンテンポ早めに動き出すのでバトンが届かなくなるリスクは高まるが、その分、より加速に乗った状態でバトンパスが可能になる。

 ここでチームは多田に、ある“トリック”を仕掛けている。

 初めて代表入りした多田の区間は、なかなかバトンがスムーズにいかなかった。1走に入って、2走の飯塚とコンビを合わせてきたが、ほとんどテークオーバーゾーン内でバトンが渡らなかった。元々、多田は曲走路をあまり得意としていなかったし、日本選手権などの疲労の影響もあったのだろう。

 そんな21歳が自信を失わないよう、スタッフと飯塚は本人には内緒で足長を実際よりも2足分長めに伝えていたのだ。

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