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【日本スプリントの挑戦】400メートルリレー 走らざる者の苦衷 藤光謙司、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥の世界陸上

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【日本スプリントの挑戦】
400メートルリレー 走らざる者の苦衷 藤光謙司、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥の世界陸上

2017年08月12日、陸上の世界選手権男子400メートルリレー決勝で銅メダルを獲得したのは(左から)藤光、多田、桐生、飯塚だった(川口良介撮影) 2017年08月12日、陸上の世界選手権男子400メートルリレー決勝で銅メダルを獲得したのは(左から)藤光、多田、桐生、飯塚だった(川口良介撮影)

 ミーティングの後、決勝を走ることになった4人は簡単にスケジュールを確認し合った。午後6時にホテルを出発するので、5時半から夕食を採ってから出かけよう、と。

 その横をケンブリッジは1人、足早に部屋に戻っていった。

 同部屋の多田修平(21、関西学院大)は、その憤りと無念に満ちた背中を見つめながら、どう接していいかという顔をしていた。

 代表歴の長い飯塚が穏やかに声を掛けた。

 「普通にしているのがいいよ」

■「そろそろ帰っていいっすか?」

 リレー前日、桐生はトレーナーの後藤勤に、こう言葉を投げかけた。

 「日本に帰っていいっすか?」

 後藤が笑顔で返す。

 「もう1日、ロンドンにいようか」

 大会中、何度も繰り返したやり取りなので、対応も慣れたものだ。

 桐生は今回、藤光と同じリレー要員として代表に選ばれていた。代表選考を兼ねた6月の日本選手権100メートルでサニブラウン、多田、ケンブリッジに敗れ、個人種目での代表入りを逃していたからだ。

 リレーは大会の最終盤に日程が組まれる。なので、7月28日に日本を出発してから出番まで2週間以上もある。英国内で時差調整を兼ねた合宿を行い、ようやく大会が開幕したと思っても、走る機会がやってこない。桐生にとっては13年モスクワ世界選手権で初めて日の丸を背負って以来、初めての経験だった。

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