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【元横綱・日馬富士暴行】統治能力欠く協会、聴取も進まず

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【元横綱・日馬富士暴行】
統治能力欠く協会、聴取も進まず

理事会を終え会見に臨む(左から)鏡山理事、八角理事長、尾車理事、高野利雄理事=11月30日、両国国技館(蔵賢斗撮影) 理事会を終え会見に臨む(左から)鏡山理事、八角理事長、尾車理事、高野利雄理事=11月30日、両国国技館(蔵賢斗撮影)

 日馬富士の暴力問題は、著しく統治能力を欠く日本相撲協会の内実を浮き彫りにした。30日の定例理事会では、被害者である貴ノ岩関の聴取を師匠の貴乃花親方に要請したものの、再び拒否された。九州場所中も白鵬関の不規則発言が飛び出すなど、組織の一体感は見られない。税制上の優遇措置を受ける公益財団法人として、責任を果たしているとは言い難い。

 協会が同日公表した決議文が、図らずも組織の現状を示している。「全ての理事、監事、協会員、職員が結束して協力する」。初歩的な事項を明文化しなければならないほど、今の執行部は統率力に乏しい。

 出席者によると、定例理事会で貴乃花親方は危機管理委の中間報告を口を挟まずに聞いていた。だが、貴ノ岩関の聴取を依頼すると「警察の捜査が終わるまで応じられない」との返答をしたという。両者の溝は埋まっていない。そもそも協会の初動が遅れたのは、貴乃花親方が10月29日に鳥取県警へ被害届を出しながら、協会へは情報を伏せていたことに起因している。

 九州場所後の横綱審議委員会では、事実解明への協力を拒む貴乃花親方に、北村正任委員長が「協会全体が進めることをぶち壊す。不可解」と不快感を示した。巡業部長という要職に就きながら対決姿勢を強める構図は、八角理事長(元横綱北勝海)の指導力にも疑問符を突きつけているばかりか、内紛さえうかがわせる状況だ。さらに、暴行の現場にいた当事者でありながら白鵬関は「貴乃花部長では巡業に参加できない」などと発言したという。一体感はやはり感じられない。

 九州場所中には、モンゴルから来日した元小結旭鷲山のダバー・バトバヤル氏が貴ノ岩関とのやりとりを発信するなど、外野にも振り回されている。千秋楽での白鵬関の不規則発言といい、個々の身勝手な言動を制御しきれず、浮足立つお粗末な対応が目につく。

 暴行問題で再発防止に向け、組織が一致団結すべきはずが、逆にまとまりを欠いている。あるベテラン親方は「執行部も貴乃花親方も協会員。いがみ合っていても発展性がない」と漏らした。(藤原翔)

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