産経ニュース

【開いた扉 桐生9秒98の軌跡】(中)“リミッター”外した信頼感 後藤トレーナーの献身助勢

スポーツ スポーツ

記事詳細

更新

【開いた扉 桐生9秒98の軌跡】
(中)“リミッター”外した信頼感 後藤トレーナーの献身助勢

9秒98の日本新記録を樹立し喜ぶ桐生祥秀 9秒98の日本新記録を樹立し喜ぶ桐生祥秀

 「体重が3キロ増えるということは、水の入った1・5リットルのペットボトルを2つ体に着けて走るのと同じ負担だよ」「肉離れはしっかりケアして、きれいに治すことが大事。しこりが残ってしまう」など。体脂肪や関節の可動域を定期的に測定することで体を管理する意識も促した。自己記録こそなかなか更新できなかったが、苦手な野菜を食べるようになるなど、桐生の内面は少しずつ「大人のアスリート」に変わっていった。

 「僕は緩衝材って言われています」。後藤はこう笑う。穏やかな人柄で桐生にかかる重圧を解きほぐし、時に足並みがそろわなかった土江との間に立って溝を埋めた。桐生も「後藤さんには何でもしゃべれる。気を使わない」と厚い信頼を寄せている。

 そんな2人の絆が垣間見えたのが9日の日本学生対校100メートル決勝だ。

 「桐生は『疲れて(脚が)パンパンです』と言っていたけど、触った感じでは余力があった。『まだ行けると思うぞ』と伝えたら、素直に聞いてくれた」

 “リミッター”を外した21歳は9秒98の歴史的快走を見せ、胸を張った。「これまでは僕が(結果に)泣いて周りの方々に支えてもらった。今日は僕が笑顔でゴールして、見てくれた人が涙を流してくれた。それがうれしい」=敬称略

このニュースの写真

  • (中)“リミッター”外した信頼感 後藤トレーナーの献身助勢
  • (中)“リミッター”外した信頼感 後藤トレーナーの献身助勢

「スポーツ」のランキング