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【柔道】「打倒リネール」へ、燃える王子谷「誰が倒すかで、東京の代表が決まる」

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「打倒リネール」へ、燃える王子谷「誰が倒すかで、東京の代表が決まる」

男子100キロ超級決勝 影浦心(下)を破り優勝した王子谷剛志=福岡国際センター 男子100キロ超級決勝 影浦心(下)を破り優勝した王子谷剛志=福岡国際センター

 寝技の攻防に転じた王子谷は速かった。小回りを利かせて相手の背後を取り、襟を締め上げる手際が鮮やか。186センチ、145キロの巨体を裏切る機敏さに、うつぶせの影浦はなすすべもない。男子100キロ超級決勝は、意外な送り襟絞めでストンと終幕が下りた。

 重機さながらの、踏みつぶすような立ち技が表芸。この日も1回戦と準決勝を力任せの足技で制したが、「実は寝技もできる選手なんです」。24歳の勝者は、口元に笑みを含んで自賛した。

 リオ五輪銀メダリストの原沢とは同い年。直接対決を経ずに制した今大会が、2人の前後を入れ替えるとは思っていない。「肩書が一番の差。選抜体重別で勝っても、『リオ五輪メダリスト』の肩書を超えられない」。ジェラシーの青白い炎は胸の内でなおも揺れている。

 その原沢がリオに残した課題に、今年は手を付ける側に回れそう。王者テディ・リネール(フランス)の首級を挙げれば、周囲の評価は自然となびく。「最重量級の課題はリネール。誰が倒すかで(東京五輪の)代表が決まる」

 まだ見ぬ「世界」への切符、リネールへの挑戦権は全日本選手権(29日、日本武道館)の畳に落ちている。「原沢を超えるには、いい色のメダルを取るしかない」と、どこまでも下火になる気配のないジェラシーである。お家芸の捲土重来につながるなら、男の嫉妬も悪くはない。(森田景史)

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