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【話の肖像画】競泳コーチ・久世由美子(4)女性コーチの反骨心

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【話の肖像画】
競泳コーチ・久世由美子(4)女性コーチの反骨心

ロンドン五輪でメダルを獲得した松田丈志(左)と記念撮影 =2012年8月4日(鈴木健児撮影) ロンドン五輪でメダルを獲得した松田丈志(左)と記念撮影 =2012年8月4日(鈴木健児撮影)

 〈競泳界で日本代表クラスの男子選手を指導する女性コーチは極めて珍しい。女性コーチならではの苦労も経験してきた〉

 コーチ業というのは男社会なんです。この時代になって男女平等とは言いますけど、やはり男社会の環境下で困難はありました。例えば国際大会で、男性コーチは同部屋になり、夜遅くまでレース戦略だったり、海外勢の情報交換などいろいろな話ができる。でも私はいつも1人部屋で…。男性コーチ陣に「来てくださいよ」と言われても、なかなか部屋まで行くことはできなかった。これは正直、つらかったですね。

 2008年の北京五輪では選手村に1人部屋がなく、女子選手と同じ部屋を提案されましたが、コーチと一緒だなんて選手が気の毒でしょ。私は日本水泳連盟が借りてくれた近くのホテルから通いました。

 いかなる状況でも常に「松田丈志を強くすることだけは絶対に負けない」ということを心がけていました。「人間」として誰にも負けない選手に育てるという目標が、私の心のよりどころになっていました。何があってもへこたれない「折れない魂」を宿す思いで指導していました。幸いにも松田自身がもともとプラス思考のタイプで。だから女性コーチの下でも(ライバル選手に)臆することなく、成長してくれました。

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