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【話の肖像画】競泳コーチ・久世由美子(3)「今、一番だから」と地元の高校に進学した松田丈志に「私もびっくり」

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【話の肖像画】
競泳コーチ・久世由美子(3)「今、一番だから」と地元の高校に進学した松田丈志に「私もびっくり」

松田丈志(左)の中学校入学式で (本人提供) 松田丈志(左)の中学校入学式で (本人提供)

 〈九州の地方都市、宮崎県延岡市で4歳の原石と出会った。その才能を見抜くと、二人三脚で世界のトップを目指し始めた〉

 松田丈志と出会ったのは、私たちの練習拠点であるビニールハウスのプールが完成して10年ほどたった頃でしょうか。4歳だった彼はすぐに水に慣れ、泳げるようになると、小学校に上がる頃には「コーチ、どうすればうまくなるん? どうすれば速くなるん?」と選手コースを指導している私の後ろをついて歩くようになったんです。

 そんな子は初めてで。そして小学3年生のとき、沖縄で行われた九州大会で初めて決勝に残り、8位でも表彰状をもらえた松田はものすごくうれしそうでした。そのときの笑顔が忘れられなくて、あの笑顔にもう一度会いたいという一心で、この子を強くしようと考えるようになったんです。

 水泳の技術を教えるのはもちろんですが、最初に徹底したのは、挨拶、返事、礼儀、そして感謝の気持ちを忘れないこと。クラブに来て挨拶や返事ができなければ、「泳ぐ必要はない」と厳しく接していました。

 小さい頃から当たり前のことを当たり前にできるようにしておけば、大人になったときに本人が困らない。私自身、剣道師範の厳しい父に育てられ、身についたことで助けられた場面がいくつもありましたから。「約束は守ること」「やるといったら最後までやり通すこと」といった父の教えが、指導する上で大きな心の支えになっていました。

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