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【話の肖像画】競泳コーチ・久世由美子(1)銅メダル獲得、松田丈志ら4人の顔を見て「これはいけるなと思いました」

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【話の肖像画】
競泳コーチ・久世由美子(1)銅メダル獲得、松田丈志ら4人の顔を見て「これはいけるなと思いました」

リオデジャネイロ五輪男子800メートルリレーで銅メダルを手にしたメンバーと。左から小堀、萩野、本人、松田、江原 リオデジャネイロ五輪男子800メートルリレーで銅メダルを手にしたメンバーと。左から小堀、萩野、本人、松田、江原

 〈今夏のリオデジャネイロ五輪。日本の男子自由形は800メートルリレーで1964年東京五輪以来52年ぶりの銅メダルを獲得した。まな弟子たちの輝く姿を目にすると、自然に涙があふれ出していた〉

 昼の予選は全体の5位でした。夜の決勝レースへ向かう前、選手たちと円陣を組んで、「メダルを取りに行くぞ」と大声を張り上げました。「おー!」と勢いよく続いた選手4人(萩野公介、江原騎士、小堀勇気、松田丈志)の顔を見て、これはいけるなと思いました。

 ずっと指導してきたアンカーの松田が飛び込んだ瞬間からは、神様に祈るような気持ちでした。激しい競り合いの末、電光掲示板の順位に「3」がともると、他のコーチたちは万歳をしていたけれど、私は早く涙を拭いたくて仕方がなかった。レース後、メンバー一人一人からメダルをかけてもらえたときは、すごく幸せでした。

 〈快挙の陰には所属ごとに強化を進める日本競泳界では異例の強化策があった〉

 自由形の強化はずっと日本の悲願でした。リレーメンバーは4月の日本選手権で男子200メートル自由形の上位4人が選出されました。個人種目でも代表になった萩野選手を除き、リレーで派遣標準記録を突破した3人が「一緒に練習をしたい」と自然に集まったんです。所属の垣根を取り除き、松田の指導者である私が代表して指揮を執ることになりました。

 3人の「負けず嫌い」という共通点を競技力向上に生かそうと考えて。毎週、100メートルのタイムを30本計測したんですが、3人が横一線に並んで勝負するので、最初から最後まで力を抜くことをしない。選手同士で「勝った」「負けた」を繰り返し、全力で泳いだタイムの平均を、翌週、さらにその翌週と上回っていくことを求めました。この練習が本番の最後の踏ん張りにつながったと思います。

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