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【舞の海の相撲俵論】「続いてきたものには意味がある」

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【舞の海の相撲俵論】
「続いてきたものには意味がある」

舞の海秀平氏 舞の海秀平氏

 近年も野球賭博や八百長などの不祥事後に客足が落ち込み、入場券をさばけなかったこともたびたびあった。茶屋によっては「泣く泣く貯金を1千万円切り崩して、協会にチケット代を収めた」という。「あの不入りが5年10年と続けば、茶屋は存続できなかっただろう」とも聞いた。

 入場券の売り上げは1割が茶屋で、9割が協会。お土産も茶屋に入る収入は15%程度という。長くひいきにしてもらわなければ、やってはいけない。なじみ客の冠婚葬祭には欠かさず顔を出し、持ち出しも多い。「お客さんをつなぎとめることこそに茶屋の存在価値があるのよ」と十二番「四ツ万」の女将(おかみ)さんは表情を引き締めて語る。

 大相撲という伝統において、茶屋制度は大切な一役を担っている。サッカーや野球など、他のスポーツとは違う。何でも合理化が良しとされ、インターネット全盛時代にあり、入場券の売り手と買い手が顔を合わせ信頼関係を築いていく。何とも粋で風流ではないか。

 佳境を迎える秋場所は、初日から千秋楽まで入場券が完売し、満員札止めとなりそうだ。そのにぎわいの陰に二十軒の茶屋の意地と努力があった。(元小結 舞の海秀平)

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