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【スポーツ異聞】テニス選手に「棄権」が多いのはなぜか? 賞金よりポイント獲得を重視するあまり…

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【スポーツ異聞】
テニス選手に「棄権」が多いのはなぜか? 賞金よりポイント獲得を重視するあまり…

「ジョコビッチ相手に2セットダウンから逆転は不可能」。全米オープンのジョコビッチ戦で治療を受けるツォンガ。この後、準々決勝を棄権した(ロイター) 「ジョコビッチ相手に2セットダウンから逆転は不可能」。全米オープンのジョコビッチ戦で治療を受けるツォンガ。この後、準々決勝を棄権した(ロイター)

 ATPツアーにも出場できない選手は、さらに下のツアーで戦って、わずかばかりのポイントを積み重ねていくしかない。運よく四大大会の予選を勝ち抜いて、本戦キップを獲得したときには疲労困憊のようなコンディションで、戦ううちにバッテリー切れとなり棄権を余儀なくされるのである。

 「テニスジャーナル」元編集長の井山夏生の近著『テニスプロはつらいよ』(光文社新書)は、ツアーを戦うテニス選手の切実な問題に迫り、サブタイトルにあるような「超格差社会を闘う」現実を浮き彫りにする。井山によれば「テニスはビッグマネーが動くスポーツ」で、グランドスラムに代表される「光の世界」と、人も集まらずチケットも売れない「陰の世界」に大別できるという。ランキング下位の選手は遠征費と宿泊費を捻出しながら、無駄を省いてやりくりする。「選手は少しでもチャンスがありそうな大会を探しながら世界中を飛び回る。彼らがほしいのは賞金ではなくて、ポイントなのだ。ポイントを積み重ねることが光の世界につながっている」と説明する。

ポイント獲得で「天国と地獄」

 今年の全米オープンの8強に、フアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)という元全米覇者がいた。直前のリオ五輪男子シングルスで銀メダルを獲得し、142位で臨んだ全米準々決勝に進出、男子テニスの“下克上”が話題を呼んだ。全米を制した20歳の頃、世界5位まで上りつめたが、故障でツアーを棒に振ったためランキングが急降下。一時は引退も考えたが、リオ、全米とひと夏で光明を見出した。

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