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【W杯あの時あの言葉】「泣くな、戦争に負けたわけじゃないんだ」チラベルト(パラグアイ)

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【W杯あの時あの言葉】
「泣くな、戦争に負けたわけじゃないんだ」チラベルト(パラグアイ)

■第16回フランス大会(1998年)

 決勝トーナメント1回戦、ジダンを筆頭に豊富なタレントをそろえた地元フランスを相手に、パラグアイはシュートの雨を浴びながらゴールを守った。0-0のまま延長戦へ。鉄壁の守備を貫いていたGKチラベルトがゴールを許したのは延長後半8分だった。

 0-1で試合終了。チラベルトは泣き崩れるチームメートを一人一人助け起こして回った。「もう泣くな。おれたちは戦争に負けたわけじゃないんだ」

 カルペジアーニ監督は試合前、「PK戦に持ち込めばチャンスはある」と話していた。安定したセービングとともに、キッカーとしても一流のチラベルトがいればこその作戦だった。それだけに一番失望したはずの守護神の姿は、感動的でもあった。

 奔放な言動でも知られ、続く日韓大会南米予選のブラジル戦でロベルトカルロスにつばを吐きかけ退場になったことも。だが母国では、絶大な存在感とリーダーシップで「将来の大統領候補」といわれるほどの人気を誇った。

 2010年の南アフリカ大会、日本は、このパラグアイと決勝トーナメント1回戦で対戦、0-0のまま延長でも決着がつかず、PK戦の末に敗退した。5人全員が決めたパラグアイは、涙に暮れたフランス大会の悔しさで、日本より一枚上手だったのかもしれない。

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