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【走り出す日本力】女性の活躍促進は「パパ」から

走り出す日本力

活躍する女性とシニア

女性の活躍促進は「パパ」から

女性の活躍促進は「パパ」から

企業セミナー活発化 セブンはイクメン支援、神鋼は男社会を改革

 「出産した女性の離職に対する第一の砦は、国でも企業でもありません。みなさん〝パパ〟です」

 NPO法人ファザーリング・ジャパンの塚越学理事は2月中旬、流通大手、セブン&アイ・ホールディングス本部(東京都千代田区)で、仕事を終えたグループの社員約80人にそう訴えた。

 女性の活躍推進に向け、同社は平成25年10月から、同様の「イクメン推進プログラム」を実施している。塚越理事は3人の子供を育てた経験を交え、父親が家事や育児に参加する重要性を説いた。

 出席したセブン-イレブン・ジャパン人事部の戸村義英さんは、昨年7月に長男が誕生した。妻は離職中だが「家庭で役割分担を明確にしておけば、仕事を再開するハードルはなくなる」と述べた。

活躍の場を創る

 同社の取り組みは、男性だけではない。ダイバーシティ推進プロジェクトの藤本圭子リーダーは「女性が活躍するためには、男性も含めた社員の意識改革が重要だ」と話す。

 プロジェクトは24年の発足以降、育児中の女性社員の交流会や、女性管理職を対象とするキャリアアップのためのセミナーなどを定期的に開いた。現在は対象を男性社員にも拡大している。「役員や管理職の意識も変わり、男女関係なく仕事や役職を任命できるようになってきた」(藤本氏)というように、同社は係長以上に占める女性の比率が26年2月時点で21.4%に上っている。

男社会に新風

主な企業の女性活躍促進策

 厚生労働省によると、25年度時点で課長以上の女性管理職がいる企業は56.0%。だが、管理職のうち女性の占める割合はわずか6.6%にとどまる。第1子を出産した女性は約6割が離職するとされている。

 ただ、企業が優秀な人材を確保するためには、女性の労働力の活用が不可欠。長く男性社会とみられてきた業種にも、女性の活躍推進に向けた動きは広がっている。

 鉄鋼大手、神戸製鋼所は今年4月から、夫や妻の転勤などを理由とした3年間の休職制度を新設し、退職後5年以内は再雇用を申請できる登録制度も創設する。同社ダイバーシティ推進室の佐野紀子室長は「優秀な社員に男性も女性もない。キャリアを継続してもらう仕組みが重要だ」と話す。

 鉄鋼業界は技術系を中心に女性社員が少なく、神鋼でも総合職の社員3638人のうち女性は138人にとどまる。結婚や出産、育児と仕事の両立に不安も強く、12年度以前に入社した女性の離職率は男性の2.5倍に上った。

 同社は3月から女性を部下に持つ管理職を対象にセミナーを実施し、男性中心の職場風土の変革に取り組む方針だ。佐野室長は「女性も男性も働きやすい職場をつくり、多様な働き方を望む人材の確保につなげたい」と語る。

 経済の牽引役である民間企業で、女性が活躍できるかが日本の競争力向上のカギになりそうだ。

(会田聡)

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