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【走り出す日本力】空から監視、ドローンで効率化 わずか20分 ソーラー撮影

走り出す日本力

防犯・防災技術

空から監視、ドローンで効率化 わずか20分 ソーラー撮影

空から監視、ドローンで効率化 わずか20分 ソーラー撮影

ソーラーパネルの異常を空から探知するALSOKの新サービス(同社提供)

ソーラーパネルの異常を空から探知するALSOKの新サービス(同社提供)

 太陽光を受け銀色に輝くソーラーパネルが一面に並ぶ太陽光発電所「水戸ニュータウン・メガソーラーパーク」(茨城県)。地上にいる操縦士がリモコンのボタンを押すと、赤外線カメラなどを搭載した直径約1・4メートル、重さ約8キロの小型飛行ロボット(ドローン)が、ふわりと浮き上がった。わずか数秒で上空40メートルまで上昇。上空を旋回しながら撮影したデータをコンピューターに送り続けた。約2ヘクタール分の撮影を終え、発着地点に戻るまで約20分。周囲からは「速いな」と思わず歓声が上がった。

 警備大手のALSOKが5月から本格提供を始めた商用ドローンによるメガソーラー向け空撮サービス。赤外線カメラで、ホットスポットと呼ばれる温度の異常上昇箇所を探知し報告する。正常発電状態ではパネルの表面温度は40~50度だが、異常時や、鳥のふんや草木が付着すると80度以上に上昇、発電効率の低下や火災を引き起こす。以前は、監視員らが目視で3~4時間かけて異常を探していたが、ドローン導入により監視時間が大幅に短縮した。

 同社ブロードマーケット営業室の三好克幸課長は「ソーラーパネルは、メンテナンスが大切。大規模になればなるほど、ドローンが効率的だ。初期不良の発見や、台風通過後の保守点検にも役立つ」と話す。

 9月4日、夜間や住宅密集地でのドローンの飛行を規制する改正航空法が成立した。同社のドローンは、日中に人がリモコンで操作するため、同法には抵触しないが、「改正法の成立はむしろ追い風。これでルールにのっとった利用が周知できる」と三好課長。既に数十件の導入先が決まり好評だ。

 空からの監視を必要としているのは、ソーラーパネルだけではない。同社は9月から、世界最高峰の解像度、撮影能力を持つ地球観測衛星やドローンを活用し、火山噴火時の避難や調査に役立つサービス「火山災害対策ソリューション」の提供を開始した。世界の約7%、110の活火山が集中する日本列島の防災の一翼を担いたいと意気込む。

 また、警備大手のセコムは、日本初の民間防犯飛行船(全長15メートル、時速50キロ)の開発を昨年末に発表。飛行船には、複数のカメラ、集音マイク、サーチライトなどを搭載し、人や車の混雑状況、災害時の被災状況などの画像をリアルタイムで収集する予定で、来年中の実用化を目指す。

 地震、台風、火山など災害の多い日本では、空からの広域防災は不可欠。空撮情報を瞬時に解析分析する“空からの警備”に期待が高まっている。

(村島有紀)

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