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【激動・朝鮮半島】中国に泣きついた金正恩氏 “後見役”習氏は改革開放要求へ?

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中国に泣きついた金正恩氏 “後見役”習氏は改革開放要求へ?

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北朝鮮の労働新聞が9日掲載した、中国遼寧省大連で乾杯する金正恩朝鮮労働党委員長(左)と習近平国家主席の写真(コリアメディア提供・共同) 1/1枚

 【北京=藤本欣也】北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長が決断した今回の中国再訪問は、北朝鮮が自ら中国に助けを求めたことを意味する。習近平国家主席が今後、金氏の“後見役”として、外交や経済政策で注文を付けていくのは必至だ。朝鮮半島の安全保障問題では中国を含む4カ国協議を、経済問題では中国式の改革開放を要求するとみられる。

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 7日から8日まで遼寧省大連を訪問した金氏は連日、習氏と首脳会談を行った。中国国営中央テレビが放送した映像によると、金氏は約30歳年長の習氏の話に神妙に耳を傾け、4月27日の南北首脳会談でみせた余裕がうかがえなかった。

 金氏の訪中後、ポンペオ米国務長官が訪朝し米朝首脳会談に向けて大詰めの協議を行ったことが判明。北朝鮮の非核化をめぐり米朝間の調整が難航する中、金氏はまさに土壇場で習氏に助けを仰いでいた状況が浮き彫りになっている。

 朝鮮戦争をともに戦い、「血盟関係」とうたわれた中朝両国だが、中国が1992年に韓国と国交を樹立してからは関係が冷却化。金正日総書記は中国への不信感が強かったとされ、訪中を重ねながらも中国とは一定の距離を置いてきた。

 息子の金正恩氏も2013年に親中派の張成沢氏を処刑するなど、中国を挑発する行動を取ってきた。

 しかし、中国に助けを求める格好となった今回の再訪中は、中朝の近年の歴史の中でも異例といえるもので、「まるで中国の保護のもとで体制の存続を図ろうとしているかのようだ」(外交筋)との驚きの声が上がっている。

 習氏としては、この機会に「後見人」の立場を金氏に認めさせ、決定的な影響力を保持したいところだ。実際、習氏はトランプ米大統領との8日の電話会談で、北朝鮮の安全保障上の懸念に配慮するようトランプ氏に直接求めている。

 習氏は今後、北朝鮮の外交・経済政策などに積極的に関与していくとみられる。朝鮮半島の平和体制構築に向けては、南北、米中の4カ国で協議を進めるよう働きかける構えだ。

 また、中国は「中朝間の経済・貿易に関する実務協力を推進したい」(王毅国務委員兼外相)との立場を示している。北朝鮮に改革開放を迫り、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」などを活用して、中国主導による北朝鮮開発を目指すとみられる。