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ネパールのネット接続事業に中国国有企業参入 インド独占にくさび、強まる影響

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ネパールのネット接続事業に中国国有企業参入 インド独占にくさび、強まる影響

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 【ニューデリー=森浩】ネパール政府は15日までに自国内でのインターネット接続事業について、中国国有企業の参加を認める決定をした。これまでインターネット接続はインドの通信事業者が独占していたが、中国に開放されたことになる。ネパールでは共産党系政党による親中政権が来月に発足する予定で、中国の存在感が高まることは確実で、歴史的に関係が深いインドの動向が注目される。

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 ロイター通信や中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報によると、ネパールはこのほど中国国有企業「中国電信」のインターネット事業参入を認めた。既に地元通信企業ネパールテレコムとともに、中国チベット自治区吉隆から山岳地帯を抜け、ネパール北部ラスワガディまで通る全長82キロのケーブルを完成させており、12日にケーブルの開通記念式典が開かれた。

 これまでネパールはバルティ・エアテルや、タタ通信などインドの事業者を通じてインターネットに接続していたが、独占が崩れた格好だ。ネパールテレコム担当者は「寡占的状況から別の選択肢を提供できることになり、回線の安定化にもつながるだろう」と話している。

 ネパールは中国が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に参加しており、中国はネパール国内総生産(GDP)の40%に達する83億ドル(約9350億円)の支援を決定。通信インフラの整備もその一環とされ、インド英字紙ザ・ヒンドゥは今回の中国企業進出について「新しいシルクロードに沿い巨大なデジタルネットワークが構築される」と報じている。

 ネパールは昨年末の総選挙で、統一共産党とネパール共産党毛沢東主義派(毛派)が170を超える議席を獲得。統一共産党のオリ議長が来月にも首相に就任する見通しだ。4月には習近平国家主席の2度目の訪問も予定されるなど、中国と急速に接近している。

 インドからすればネパールは中国との緩衝地帯であり、これ以上の“中国化”は避けたい意向だ。ただ、「地域の状況はインドの理解をはるかに超える速度で変化している」(印地元紙トリビューン)とも指摘されるだけに、対ネパール政策の練り直しが急務となっている。