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【環球異見】〈トランプ政権暴露本出版〉「『民主政治』と距離を置け」環球時報(中国)

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〈トランプ政権暴露本出版〉「『民主政治』と距離を置け」環球時報(中国)

環球異見更新
トランプ米政権に関する暴露本「炎と怒り」=5日、米シカゴの書店(AP) 1/2枚

 トランプ米政権に関する暴露本「炎と怒り」が発売された。トランプ大統領は「嘘だらけ」と反発。同書に協力したバノン元首席戦略官兼大統領上級顧問を批判する声明を発表し、バノン氏との“絶縁”を宣言した。米紙は、両者の関係が断絶されたことを歓迎し、メキシコ紙はホワイトハウスが内外に抱える“戦争”を不安視した。中国紙は、一連の騒ぎが米国の民主政治の質の低下を表していると揶揄(やゆ)している。

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 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は8日付の社説で、トランプ氏の個人的な資質への疑問が大統領就任から1年近くたって改めて噴出していることを「米国の民主政治の質が落ちていることの表れだ」と切り捨てた。

 社説は、戦後の歴代米大統領はみな批判を受けてきたものの「精神が不正常」だとののしられたのはトランプ氏が初めてだと指摘。トランプ氏のスタイルは非常に独特であり、政権を握ってからはやや個性を抑えているものの「選挙期間中と現在で大差はない」とした上で「今になって突然、トランプ氏を当選に導いた精神的な特質について批判しても、支持者と不支持者との対立を固定化させるだけだ」と批判した。

 トランプ氏について「米国の既存の体制派(エスタブリッシュメント)との間の隔たりはまだ埋められていない」としつつ、エルサレムをイスラエルの首都と認定したことなどを挙げ「歴代の大統領ができなかったことをやってきた」と一定の“評価”を与えた。

 続いて「現在の問題は、トランプ政権が始まったばかりなのに彼を“精神障害”とののしる声があふれていることだ」と主張。「自ら選んだ大統領を痛めつけることが楽しいのか知らないが、外の世界は米国がこうした騒ぎをみせつけることを歓迎している」と皮肉った。

 さらに米国の世論が大統領を選んだ直後から、その人物の精神に問題があり選択を誤ったと表明するのは「大統領に対する愚弄であり、それ以上に米国の選挙制度への風刺だ」とたたみかけた。

 「米国の内政に干渉することはできないが、このような政治制度から中国人は距離を置いたほうがいい」。社説はこのことがいいたかったようだ。米国の政治体制は疑いなく大きな問題を抱えていると指摘し、米欧からは「一党独裁」と批判される中国の政治制度の優越性を強調したといえる。(北京 西見由章)

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  • 5日、ニューヨークの書店に並んだトランプ米政権の内幕を描いた暴露本「炎と怒り」(ロイター)