産経ニュース for mobile

赤色に染まる南の楽園モルディブ 中国に傾斜、FTA締結でインド反発

記事詳細

赤色に染まる南の楽園モルディブ 中国に傾斜、FTA締結でインド反発

更新
7日、北京の人民大会堂で中国の習近平国家主席(右)と握手するモルディブのヤミーン大統領(AP) 1/1枚

 【ニューデリー=森浩】インド洋の島嶼国、モルディブの中国接近が顕著だ。現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に参加し、このほど中国と自由貿易協定(FTA)も締結した。一連の動きに安全保障上も経済上も関わりが深いインドはいらだちを募らせる。インド洋での覇権争いに直結する重要地点だけに、楽園の島をめぐる中印のつばぜりあいは今後も続きそうだ。

<< 下に続く >>

 「一帯一路は中小国の発展を後押ししている」

 7日に北京を訪問したモルディブのヤミーン大統領は、中国の習近平国家主席とともにFTAの署名式に出席。中国が推進する政策を褒めちぎった。

 習氏もモルディブについて一帯一路の海上ルートでの重要なパートナーだと指摘し、両首脳は満面の笑みを浮かべて握手した。中国国営新華社通信によると、FTAにより、モルディブが中国から輸入する品目の95・6%が8年以内に、中国がモルディブから輸入する品目の95・4%が5年以内に、それぞれ関税がゼロになる。

 この動きに心中穏やかでないのはインドだ。まだモルディブとFTAを結んでおらず、中国に出し抜かれた格好となった。インド外務省は14日、モルディブとインドは「歴史的、文化的に結びつきが強い」と強調した上で、「“インド第一政策”を継続するのかというわれわれの懸念に対し、(モルディブ側が)敏感であることを期待する」と、遠回しながら中国傾斜に強烈にくぎを刺した。

 モルディブはインドの真南に位置し、中国化が進めば、戦略的に脅かされる可能性がある。「のど元に刃物を突きつけられる格好になる」(インド紙記者)

 また、インドが懸念を深める背景には歴史的経緯もある。1988年にモルディブで大統領に対するクーデター未遂事件が起きた際、インドは陸海空軍1600人を派遣して鎮圧。その後、両国は安全保障上も経済上も密接な関係となった。モルディブの首都マレには、インドのかつての首相、インディラ・ガンジーの名前を冠した病院も建設されている。