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【文在寅氏訪中】韓国、対中投資に前のめり THAAD「報復」癒えぬ傷

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韓国、対中投資に前のめり THAAD「報復」癒えぬ傷

文在寅氏訪中更新
北京の人民大会堂で会談する韓国の文在寅大統領(右から2人目)と中国の習近平国家主席(左から2人目)=14日(共同) 1/1枚

 【北京=桜井紀雄】韓国は、文在寅大統領の訪中に韓国を代表する財閥企業など約260社が同行し、中韓自由貿易協定(FTA)の対象拡大のための協議入りで中国側と合意するなど、対中投資に前のめりになる姿勢を示している。だが、THAAD配備に対する中国からの“報復”とみなされる被害は回復されたわけではなく、中国に依存し過ぎる韓国経済の危うさは拭えない。

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 「両国は共同繁栄の道を共に歩き、平和と繁栄のため、協力していくべき運命的なパートナーだと信じている」。文氏は14日、習近平国家主席との会談でこう強調した。

 文政権で初となる今回の訪中には、サムスン電子や現代自動車、LG、CJといった大企業の会長や副会長らが同行し、中国との経済協力に関するさまざまな覚書の締結が進められている。韓国の財界は「韓中経済の起爆剤になる」と鼻息が荒い。

 14日の晩餐(ばんさん)会には、国際結婚カップルとして話題を集めた韓国人女優と中国人俳優を招待。経済関連行事には、韓流グループを代表するEXO(エクソ)のメンバーが参加するなど、THAAD問題を受け、中国市場から締め出されていた韓流の復活を印象づける演出も見られた。

 文氏が15日から訪れる内陸部の重慶も習政権が進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の拠点の一つで、中国メディアによると、文氏は習氏との会談でも一帯一路への協力を表明した。

 一方、THAAD問題で悪化した関係の改善で合意したといっても、中国から韓国への団体旅行の事実上の制限が完全に消えたわけではない。

 今月初めには、中国人団体旅行客の第1陣が訪韓したが、THAAD配備地を提供したロッテグループ系列のホテルや免税店の利用は禁じられているという。韓国メディアは、今年、ロッテが受けた金銭的損失だけで2兆ウォン(約2千億円)に達すると伝えている。いわば、スケープゴートとして置き去りにされた形だ。

 今年の中国人観光客は昨年の約800万人から半減するとも予測されている。