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中国の“微笑み外交”要警戒 「分断工作だ」尖閣衝突回避策で日中大筋合意にチラつく思惑

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中国の“微笑み外交”要警戒 「分断工作だ」尖閣衝突回避策で日中大筋合意にチラつく思惑

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尖閣諸島などをめぐり、微笑み外交に転じた習氏の腹は… 1/1枚

 習近平国家主席率いる中国が軟化してきたのか。日中両政府は、沖縄県・尖閣諸島のある東シナ海での偶発的な衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」の構築と早期運用に向けて「前向きな進展」があったと発表した。「日中関係の改善の象徴」と報じるメディアもあるが、歴史的に計略を用いる中国を簡単に信用していいのか。北朝鮮と台湾をめぐる、中国の思惑もささやかれている。(夕刊フジ)

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 「彼らの『工作』の可能性を疑った方がいい。中国は『微笑み外交』をしてきたときこそ警戒すべきだ」

 中国情勢に精通するノンフィクション作家の河添恵子氏は言い切った。

 海空連絡メカニズムは、自衛隊と中国軍が接近時の連絡方法などをあらかじめ定め、衝突を防ぐ仕組み。中国・上海で5、6日開かれた、日中の外務、防衛、海上保安当局などの高級事務レベル海洋協議で、主要論点がほぼ一致したという。

 河添氏は「北朝鮮と台湾の問題が背景にあるはずだ」といい、続けた。

 「習政権と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権の関係は劣悪で『事実上の敵』といえる。加えて、習氏は2020年以降、本気で台湾を取りに行こうとしている。こうなると、中国人は『敵の敵は味方』のフリをするモードになる。日本政府や自衛隊に笑顔で接近して、話し合いの環境をつくろうとする。彼らの本音は、日本人を油断させて『日米同盟の分断』と『自衛隊内のシンパ構築』を狙っているのではないか」

 習氏は10月の共産党大会で、「3つの歴史的任務の達成」を宣言した。この1つに「祖国統一の完成」があり、武力侵攻も含めた「台湾統一」と受け止められている。

 「核・ミサイル開発」を強行する北朝鮮に対しては、米国の軍事的制圧も視野に入ってきた。中国は、緊迫する東アジア情勢の中で巧妙に立ち回り、台湾統一の邪魔になる「日米同盟の分断」に着手したのか。

 河添氏は「習氏にとって、安倍晋三首相とドナルド・トランプ大統領が体現している『日米同盟の絆』は脅威だ。ここにクサビを打ち込もうとしているのではないか。中国人は『台湾は中国の一部。尖閣諸島は台湾の一部』と考えている。無人島の尖閣諸島は後回しにして、台湾を先に取ろうと考えているのだろう」と分析している。