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中国最高検、元「ポスト習近平」の立件を決定 旧態依然の捜査プロセス

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中国最高検、元「ポスト習近平」の立件を決定 旧態依然の捜査プロセス

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孫政才氏 1/1枚

 【北京=西見由章】中国最高人民検察院(最高検)は11日、孫政才・前重慶市党委書記(54)を収賄容疑で立件することを決定し、現在捜査を進めていると発表した。習近平総書記(国家主席)は10月の共産党大会で反腐敗闘争の制度化に意欲を示したが、党の決定に従って司法機関が刑事処分を下す汚職摘発のプロセスは旧来のまま変化がないことが浮き彫りとなった。

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 党中央規律検査委員会は党大会での活動報告で、孫氏のほか失脚した周永康・元政治局常務委員や令計画・元党中央弁公庁主任の名前を挙げ、「政治的な野心を膨らませ、陰謀をたくらんだ」と指弾。党中央が「野心家や陰謀家を断固として排除し、重大な政治的リスクを取り除いた」と強調した。ポスト習近平の有力候補の1人だった孫氏に対する調査について、単なる汚職事案ではなく、習氏による「後継者潰し」という政治闘争の側面があることを事実上認めた形だ。

 孫氏は、党内の各派閥とも良好な関係にある実務派として知られる。その処分をめぐっては党内の“不一致”もうかがえる。国営新華社通信は9月末、孫氏の党籍を剥奪し司法機関に送致する政治局の決定を伝え、孫氏による「特権の利用」や「性的賄賂の受領」、「組織の秘密漏えい」などに言及した。

 ただ新華社は当初、孫氏が「理想や信念を全く持たなかった」と厳しく非難していたが、間もなく「理想や信念を揺るがした」と訂正。「政治の規律やルールを著しく踏みにじった」との文言も「著しく違反した」と変更し、表現を弱めた。原稿の表現について党内から異論が出たためとみられる。

 そもそも孫氏の立件をめぐっては、重慶の地元関係者や外交筋の間でも疑問の声が根強く、仕組まれた失脚劇だったとの見方が広がっている。ある関係者は「地方の優等生だった重慶に対する中央の目が昨年から急に厳しくなった」と分析し、孫氏を追い落とすレールが当時から敷かれていたと推測する。