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【天安門事件28年】天安門事件、再来年の記憶遺産申請目指す意向 被害者の方政氏「記憶の戦争だ」

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天安門事件、再来年の記憶遺産申請目指す意向 被害者の方政氏「記憶の戦争だ」

天安門事件28年更新
産経新聞の取材に応じる中国民主活動家の方政氏 =東京都港区(桐原正道撮影) 1/1枚

 中国人民解放軍が民主化運動を武力弾圧した1989年の天安門事件から4日で28年を迎える。事件の生存者で来日中の米国在住の民主活動家、方政氏(50)は2日までに東京都内で産経新聞の取材に応じ、再来年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(記憶遺産)に事件の登録申請を目指す考えを明らかにした。

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 また、中国共産党政権の言論弾圧によって「事件を知らない若い人が増えている。これは『記憶の戦争』だ」と訴えた。

 事件が起きた89年6月4日朝、北京体育大を卒業したばかりの方氏は、天安門広場付近で女子学生をかばい、人民解放軍の戦車にひかれて両足を失った。その後、国内で障害者スポーツの選手として活躍し、2009年に米国に移住。米議会の公聴会や各地の大学で事件を証言するなど、中国の民主化や人権状況の改善を訴えている。

 方氏は、当時、天安門広場に集まった学生らは「反汚職や言論の自由、高級官僚の資産公開などを求めた。体制を変えようと思っていたわけでなく、経済改革をした共産党が政治も改革できると期待していた」と振り返る。願いは実現しておらず、「共産党への期待はなくなり失望ばかりが増えている」と語った。

 方氏は事件が人々の記憶から消えてしまうことを懸念する。「事件が全世界的な話題になれば、中国政府も封じ込めることはできない」と述べ、事件を語り継いでいく決意を改めて示した。(原川貴郎)