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【芸能プレミアム】舞台の魅力にとりつかれ ミュージカル「リトル・ナイト・ミュージック」出演 ウエンツ瑛士

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舞台の魅力にとりつかれ ミュージカル「リトル・ナイト・ミュージック」出演 ウエンツ瑛士

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 話をしながらも、常に“聞いている”。32歳だが、芸歴は約30年。俳優のみならず、バラエティー番組の司会やインタビューの経験も多いだけに、「聞く力」は半端ではない。

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 「人の話を聞くのは僕にとって“チャンス”。その言葉を聞いて色々なことができるようになる。自分がより自由になれる」。それはどの仕事にも通じる。「トークもセリフ、歌、踊りも全て。相手の言葉を受け、オーケストラの音をちゃんと聞けば、自分のできることが増えるんですよ」

 出演ミュージカル「リトル・ナイト・ミュージック」が4月に東京、5月に大阪、静岡、富山で上演される。ミュージカル界の巨匠スティーヴン・ソンドハイムが映画「夏の夜は三たび微笑む」から着想を得て楽曲を作り上げたラブ・コメディー。初演以来、トニー賞7部門、グラミー賞2部門を獲得した名作だ。

 20世紀初頭のスウェーデンを舞台に、求め合いつつもすれ違うさまざまな男女の愛を描く。大竹しのぶが恋多き女優のデジレを演じ、ミュージカル初挑戦の風間杜夫がヒロインの元恋人の中年弁護士役。その息子で、父と再婚した18歳の義母(蓮佛美沙子)に恋心を抱くヘンリックを演じる。

 「登場人物それぞれ、話す言葉と気持ちが異なるのが今作のキモ。恋愛にはありがちですよね」と笑う。それゆえ、想像をかき立てる。「そこをどう読み取るかは見た方の自由です」

 想像力は人間関係において大切と考える。たとえばメールをするとき。「イラッとするメールの大半は悪気がない。だから、必ずひと呼吸置き、相手の思いをできる限り想像し、心に余裕をもってから返信します」

 先輩と後輩がいる「中間の世代」と感じる今はなおさら。「同じ記号のメールが届いても、先輩からと後輩からではきっと意味合いが違う。今回の舞台は出演者の年齢層が広いので僕が“つなぐ世代”になれたら」とほほ笑んだ。

 ドイツ系米国人の父と日本人の母の間に生まれ、4歳で芸能界入り。モデルや子役として活躍したが、高校受験を前に「みんなと同じ自由な時間を過ごしたくて」引退。周囲のラブコールは続き約1年半後に復帰。20代後半、生涯の仕事と決めた。

 小池徹平とのデュオ「WaT」解散後、大好きな歌を続ける方法がミュージカルだった。「ミュージカルは積み重ねた努力なくして成功しない。僕にとって新ジャンル。魅力にとりつかれています」

 今年は「湯より熱い、沸騰の『沸』の年に」という。「今年の年頭、この仕事をするようになって初めて先のことを考え、そう思った。自分の変化も楽しみ」。新しい自分を見つけていく。

(文・橋本奈実 写真・須谷友郁)