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【世界ミニナビ】中国の監視・検閲の猛威…入国禁止のセレブ、即謝罪の海外企業

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中国の監視・検閲の猛威…入国禁止のセレブ、即謝罪の海外企業

世界ミニナビ更新
2017年12月、フロリダ・タンパでライブを行ったケイティー・ペリー。米国を代表するトップアイドルは、この前月には上海でヴィクトリアズ・シークレットのショーに出演する予定だったが、中国から入国を拒否された(AP) 1/4枚

 中国による海外企業などに対する監視・検閲が猛威を振るっているようだ。今年に入り、米デルタ航空、豪カンタス航空が相次いで中国側に謝罪する事態となったが、これは台湾や香港、チベット自治区などを国家として自社サイトに表記したためだという。ロイター通信などによれば、中国政府は自国領土と主張する台湾などについて、海外企業がサイトでどう表記しているかの監視を強化しており、今後こうした事例が増えることが予想される。日本企業も標的だ。同様に中国側の「監視」による影響は、世界的な女性アイドルらトップアーティストの入国禁止にもつながっている。

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平謝りの海外企業

 「中国領土の一部を誤って『国』として表記したことは過失で、修正した」

 ロイターによると、カンタス航空は1月16日、こう発表し、謝罪した。平謝りである。

 中国メディアは、世界の航空大手24社のサイトに問題があると報じており、中国民用航空局は13日、台湾や香港などを「国家」として扱っていないかどうか、中国に乗り入れる海外エアラインに対し調査するよう通知していた。サイトにそうした表記がある場合は即座に修正するよう要求しており、修正に応じない場合は法的措置を検討するとしている。

 カンタスの謝罪は、こうした中国側の要求に応じた形だ。カンタスに先立ち、米デルタ航空も台湾とチベットを国として表記していたとして謝罪し、同社のサイトを修正している。

ネットユーザーが監視?

 ロイターなどによれば、一連の事態は、米ホテル大手のマリオット・インターナショナルが9日に同様の指摘を受け、上海市当局がサイバーセキュリティー法違反などの疑いで調査に乗り出したことが発端のようだ。上海では、スペインのアパレル大手のZARAと米医療機器大手のメドトロニックが、台湾を国として扱っているとして、サイトの修正と謝罪を当局から求められたという。

 海外企業の自社サイトなどでのこうした記載については、中国のネットユーザーらが見つけ出して告発するといい、指摘や告発を受けた当局が企業側に表記の修正と公式謝罪を求める動きとなっている。

 ことの発端とされるマリオットのケースは、マリオット側が中国の会員向けにメールで送ったアンケートで、台湾や香港、マカオ、チベットを「国家」として扱っているとのことで、ネット上で告発された。結果的にマリオット側は「中国の主権や領土の統一を損なういかなる組織も支持しない」とネット上で謝罪する事態に追い込まれた。

 また、日本企業も標的にされた。良品計画が展開する「無印良品」は、重慶の店舗で配布していたカタログに掲載していた地図をめぐり、中国の国家測量地理情報局から廃棄などを命じられた。中国が釣魚島として主権を主張している尖閣諸島(沖縄県石垣市)や南シナ海の島が記されていないことなどが理由という。

 これに対し、日本政府は「中国側の独自の主張に基づく措置は全く受け入れられない」とし、外交ルートを通じて懸念を伝えている。

写真ギャラリー

  • 2017年11月のアジア初開催となった中国・上海での「ヴィクトリアズ・シークレット・ファッションショー」。当初ライブに出演予定だった米女性トップシンガーのケイティ・ペリーは入国を拒否され、出演は見送られた(AP)
  • 2017年11月のアジア初開催となった中国・上海での「ヴィクトリアズ・シークレット・ファッションショー」。当初ライブに出演予定だった女性トップシンガーのケイティ・ペリーは入国を拒否され、出演は見送られた(AP)
  • 米人気バンドのマルーン5。過去に中国への入国を拒否されている(AP)