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【芸能考察】Mボラン&Dボウイ幻の未完デュエット曲を…日本の強者ロッカーが奇跡、注目集める「T・レックスのトリビュート・アルバム」

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Mボラン&Dボウイ幻の未完デュエット曲を…日本の強者ロッカーが奇跡、注目集める「T・レックスのトリビュート・アルバム」

芸能考察更新
マーク・ボランとデヴィッド・ボウイの幻のデュエット曲を想像力で形にした「T・レックス トリビュート~シッティング・ネクスト・トゥ・ユー~プレゼンテッド・バイ・ラーマ・アメーバ」 1/1枚

 今年は1970年代前半~中盤に大ブームとなったグラム・ロックの立役者といえる英バンド、T・レックスのボーカル兼ギター担当、故マーク・ボランの生誕70年、没後40年にあたる。

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 1947年9月30日、ロンドンに生まれ、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック、スレイドなどと共に、派手な化粧と中性的かつ美しいファッションに身を包み、ハードで煌(きら)びやかなロック・サウンドを披露したグラム・ロッカーとして人気を博したボラン。

 しかし、1977年9月16日、ロンドン郊外で自動車事故により、29歳で突如、この世を去った。そんな彼を敬愛する日本のロッカーたちが彼とT・レックスに捧(ささ)げた異色のトリビュート・アルバムが9月13日に発売され、注目を集めている。

 「T・レックス トリビュート~シッティング・ネクスト・トゥ・ユー~プレゼンテッド・バイ・ラーマ・アメーバ」( http://www.jvcmusic.co.jp/-/Information2/VICL-64822.html )=写真=で、ボランとT・レックスに憧れる日本のバンド、ラーマ・アメーバのアキマツネオ(ボーカル兼ギター担当)がプロデュースを担当。

▼ビクターエンタテインメント公式サイト「T・レックス トリビュート~シッティング・ネクスト・トゥ・ユー~プレゼンテッド・バイ・ラーマ・アメーバ」紹介ページ(外部サイト:http://www.jvcmusic.co.jp/-/Information2/VICL-64822.html )

 ラーマ・アメーバの演奏をバックに、吉井和哉(ザ・イエローモンキー)や志磨遼平(ドレスコーズ)、女性歌手兼ドラム奏者兼女優のシシド・カフカら、ボランとT・レックスを敬愛する個性的なロッカーたちが「ゲット・イット・オン」(71年)や「ザ・スライダー」(72年)、「20センチュリー・ボーイ」(73年)といった代表曲を披露。

 「ゲット-」では「THE BAWDIES(ザ・ボゥディーズ」のROY(ボーカル兼ベース担当)がオリジナルに忠実なアレンジに乗せてけれん味たっぷりに熱唱。

 シシド・カフカの歌う「メタル・グルー」(72年)も女性がボーカルを取っているとあって、オリジナルに忠実ながらもやや異なる質感に。

 「ライフズ・ア・ガス」(71年)は、アキマツネオと女性アイドルグループ「チャオ ベッラ チンクエッティ」のメンバー、橋本愛奈によると異色のデュエット作。アイドルとは思えないロッカー寄りの歌いっぷりにコケテッシュな佇まいを残す橋本の個性が楽曲に新たな魅力を加味している。

 そしてラストのタイトル曲「シッティング-」は、77年9月、ボランとボウイがホテルの部屋で共作した“幻のデュエット曲”であるとともに、曰く因縁に満ちた未完成曲でも知られる。

 ボウイは、ボランが司会を務める音楽番組「マーク」の最終回のゲストだった。というわけで、番組の最後に2人でこの楽曲をライヴ演奏する予定だったが、イントロでボランがステージから足を踏み外したため、楽曲の冒頭部分しか収録されず、演奏が中断した。そして、この番組の収録直後、ボランは交通事故で命を落とす…。

 しかしアキマは、この音楽番組の素材や、ボランとボウイがこの楽曲を制作していた時のデモ音源が市場に流通していることに着目。「ボランが最後まで演奏できなかったことを悔やんでいたこの楽曲を、個人的になんとかキチンとした形で残してあげたかった」(本作のライナーノーツより)ということで、これらの番組素材やデモ音源を解析。想像力を膨らませ、吉井とのデュエットという形で完成にこぎつけた。

 “未完成だったこの楽曲を、何とか生きている俺たちで完成させよう”という強いモチベーションが、本作の制作につながった。だからこの楽曲が本作のタイトルになったという。

 幻のデュエット曲をめぐる作り手の強い思いがこもった熱い1枚だ。(岡田敏一)

▼ビクターエンタテインメント公式サイト「T・レックス トリビュート~シッティング・ネクスト・トゥ・ユー~プレゼンテッド・バイ・ラーマ・アメーバ」紹介ページ(外部サイト:http://www.jvcmusic.co.jp/-/Information2/VICL-64822.html )