産経WEST for mobile

和歌山太地町・フェロー諸島連携、背景に反捕鯨団体圧力と活動家の東京五輪利用の動き-防戦一方の日本、ここに来て抵抗の兆しが

記事詳細

和歌山太地町・フェロー諸島連携、背景に反捕鯨団体圧力と活動家の東京五輪利用の動き-防戦一方の日本、ここに来て抵抗の兆しが

更新
デンマーク・フェロー諸島で行われている追い込み漁。シー・シェパードが妨害活動を行っている=7月(地元住民提供) 1/2枚

 同じく捕鯨を続けるフェロー諸島・クラクスビークと姉妹都市協定を結ぶ方針を固めた和歌山県太地(たいじ)町。その背景には、反捕鯨団体の圧力がある。これまで、日本は防戦一方だったが、最近では、外圧に抵抗して国際ネットワークからの退会や捕鯨枠拡大の動きもあり、太地町はフェロー諸島との連携を強化し、国際社会への発信力を高めたい考えだ。(小泉一敏)

<< 下に続く >>

捕鯨批判映画「ザ・コーヴ」アカデミー賞受賞で一気に加速

 国際社会の反捕鯨の流れは、和歌山県太地町の追い込み漁を、殺処分を隠し撮りするなどして批判的に描いた2009年公開の米・映画「ザ・コーヴ」が公開され、アカデミー賞を獲得すると、一気に加速した。

 一昨年に問題となった世界動物園水族館協会(WAZA)による日本動物園水族館協会(JAZA)に対する加盟施設の追い込み漁からのイルカ入手禁止を求める通告も、こうした延長線上にある。

 これに対し、太地町などは漁の正当性を再三にわたり主張。さらに、イルカに負担がかからないように漁の方法を変更するなどの譲歩を重ねてきた。

止まらぬサイバー攻撃、東京五輪狙う反捕鯨活動家たち

 だが、平成27年の通告ではJAZA側は漁からのイルカ入手を禁じ、繁殖に活路を見いだす決断を余儀なくされるなど、国際社会の圧力に防戦が続いている。

 さらに、JAZA加盟施設は太地町からイルカを購入しなくなったが、加盟施設に対するサイバー攻撃は今も止まっていない。水族館関係者は「イルカの展示自体をやめさせようと、(反捕鯨団体が)今後、要求をエスカレートさせるのではないか」と推測する。

 一方、捜査関係者によると、反捕鯨活動家は、2020年の東京五輪の場を国際的な反捕鯨のアピールの舞台にしようと模索する動きを見せている。

 昨年5月にはノルウェー出身の女性活動家が、今年5月にも「シー・シェパード」のフランス人主要活動家が、それぞれ日本への入国を試み入管当局に拘束される事案が発生している。

 ただ、防戦が続いていた日本側にも、国際的な批判にあらがおうとする動きも出てきた。

JAZA退会「捕鯨文化否定は容認できない」

 平成27年9月の地元・太地町のくじらの博物館に続き、今年4月には新江ノ島水族館(神奈川県)など4施設がJAZAを退会していたことが判明。太地町からのイルカ入手を継続する姿勢などを示した。

 多くの水族館の人気を支えるイルカの安定的入手には漁は欠かせないほか、繁殖だけでは遺伝的多様性が失われるとの危惧もあり、決断に踏み切ったとされる。

 退会した水族館関係者は「追い込み漁は国が認める合法的なもので、捕鯨文化を否定するようなJAZAの方針は容認できない」と訴える。

写真ギャラリー

  • JAZAと水族館をめぐる主な動き