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【岡山理科大に獣医学部(上)】加計学園・安倍首相…政争の“愚”にするな 愛媛大の阿部教授「四国は空白…風評、食の安全も悪影響」

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加計学園・安倍首相…政争の“愚”にするな 愛媛大の阿部教授「四国は空白…風評、食の安全も悪影響」

岡山理科大に獣医学部(上)更新
岡山理科大が愛媛県今治市に新設する獣医学部(完成イメージ) 1/3枚

 「獣医学部は公的な色彩が強く、長年の地元の悲願だ。政治利用して思いを踏みにじらないでほしい」。愛媛県の農林水産分野での遺伝子研究の第一人者として、産業振興にも携わってきた愛媛大学農学部の阿部俊之助・教授(64)は、同県今治市に新設される岡山理科大学獣医学部について、同大を運営する学校法人「加計学園」(岡山市)と安倍晋三首相との関係を民進党などが追及する姿勢を見せている問題に関し、懸念を表した。

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■「国会議員は地方現実を知らぬ。教員集めに支障が出る恐れ」

 獣医学部は国家戦略特区制度によって今治市に新設される。今年1月に特区認定を受け、同市は「市いこいの丘」の所有地を建設予定地として加計学園に無償譲渡し、開発に要する経費として96億円を上限に助成することを決めている。敷地面積約16万8千平方メートルで、既に起工式を終えた。開学は来年4月で、学生の入学定員は獣医学科160人、獣医保健看護学科60人、専任の教員約70人を予定している。

 阿部教授が一番心配しているのは開学前の風評被害だ。「このままでは教員集めに支障が出るのではないか。安倍首相を攻撃するため、獣医学部を政争の道具とする国会議員は地方のことを分かっていない。教員が集まらなかったらどうするのか。ものすごく無責任だと思う」と憤る。

 新設される獣医学部は愛媛県のバックアップを受ける。同県の農水産関係の公的部門がカリキュラムに組み込まれるほか、愛媛大学も施設の共同利用、学生の教育・研究に全面的に協力または参画する方向で進んでいると指摘。「一部の国会議員やマスコミがこうした公的側面にふれないまま、あたかも疑わしい設立だとするように報じている。風評被害、印象操作で文部科学省から愛媛大学との連携にストップがかかるようなことがあれば、地域への経済的、情緒的悪影響は計り知れない。ゆゆしきこと」と断じる。

■獣医学部は関東・北海道に集中

 今日、獣医学部の扱う分野は幅広い。獣医師の人材育成とその派遣などによる国際社会への貢献、家畜の感染病予防・診断のほか、医薬品の開発、食の安全性確保などの面でも重要な役割を担うようになっている。今治市に新設される獣医学部では、愛媛大学と連携して生命科学分野の研究を進める計画という。四国における水産・養殖漁業に大きく寄与するのみならず、動物や食品産業、新薬、医療機器といった関連企業の周辺への集積も視野に入る。

写真ギャラリー

  • 阿部俊之助・愛媛大学教授
  • 岡山理科大学獣医学部が立地する「今治市いこいの丘」=愛媛県今治市