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三重沖の熊野灘からサンマが消えた…水揚げゼロ 水温上昇影響か、外国船の乱獲も要因?

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三重沖の熊野灘からサンマが消えた…水揚げゼロ 水温上昇影響か、外国船の乱獲も要因?

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 北海道などでの旬が過ぎた冬から春にかけて漁期となる紀伊半島東部・熊野灘のサンマが、今季は不漁が続いている。熊野灘のサンマは北海道沖からの南下に伴い適度に脂が落ち、うま味が増すとされ、特産の丸干しや、すしに使われるが、三重県沖ではこれまでの水揚げはゼロ。和歌山県沖でもほぼ取れていない。

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 水温が上がっている日本近海をサンマが避けているためとみられ、両県の漁業関係者は焦りを募らせている。

 三重の熊野漁協(熊野市)などによると、昨季に211トンが揚がった同漁協を含め、今季は8日現在で全く水揚げがない。焼いた丸干しサンマを提供する同市の1月の恒例イベント「さんま祭り」では他県産を使った。

 和歌山でも勝浦市場(那智勝浦町)などでほぼ漁獲がないという。勝浦市場参事の丸山一郎さん(60)は「この数年ずっと漁獲が減っている。漁の技術の衰えが心配だ」と懸念する。

 全国さんま棒受網漁業協同組合(東京)によると、過去には57万トンを揚げた年もあったが、平成22年からは減少傾向。今季も北海道や宮城、岩手、千葉など全国的に不漁で、28年は昭和52年以降で最低の10万トンだった。

 外国船による公海での乱獲が要因となっているとの説もある。ただ、生態を研究する国立研究開発法人水産研究・教育機構(横浜市)の巣山哲主任研究員は「資源量の減少と低温を好むサンマが、水温が上がっている日本近海を南下せず、より沖合に移動していると考えられることが大きい」と説明する。

 今後については「海流や水温など、微妙な環境の変化で資源量も変わる。ずっと続くとは考えにくいが、注視する必要がある」と話している。

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  • 熊野灘のサンマの不漁が続き、他県産のサンマを使って開催された「さんま祭り」=1月、三重県熊野市(同市商工会議所提供)