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熱狂カープファンの忘れ物1位は意外なもの…Vに沸いたマツダスタジアムならではの遺失物とは

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熱狂カープファンの忘れ物1位は意外なもの…Vに沸いたマツダスタジアムならではの遺失物とは

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 昨季25年ぶりにリーグ優勝し「神ってる」活躍だった広島カープ。「日本一」こそ逃したが、ファンは「今季こそ大きな“忘れ物”を取りに行く」と意気込む。ただ、忘れ物はそれだけではない。カープ快進撃の陰で、本拠地マツダスタジアム(広島市)での忘れ物の数も多かった。傘にケータイ、帽子、財布、乗り物切符…。品目別集計ではそんな“定番”の品をよそに、カープ人気とスタジアムの性格を映すような意外な品が1位にランクインした。(山本尚美)

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2台同時に鳴り、困惑

 「ピピピピピ…」

 かすかに聞こえるスマートフォンの呼び出し音。急いで飛びつこうとした矢先に、音が止まった。

 「ダメだったか…」。悔やむのは、マツダスタジアムで遺失物を管理するカープ球団保安課の主任、道下寿正さん(62)だ。

 鳴ったスマホは、試合の観客が忘れていったもの。本人からの問い合わせだったかもしれないが…。「今はスマホの時代。画面ロックがあるから、どうしようもない」と道下さん。

 旧来の“ガラケー”なら履歴を見て違う電話からかけ直すこともできたが、スマホではかかってきた電話に応答はできても、それ以外はこちらからかけることも、履歴を見ることもできない。もしもの場合に被害を防ぐための機能が、道下さんには少し恨めしい。

 「持ち主も不安だろう」と思えば、なおさら早く返したい気持ちになる。

 家の鍵らしき忘れ物もある。道下さんには日中も仕事があるため、ナイター3連戦ともなれば、3日目の夜はクタクタだ。それでも家に入れず途方に暮れる持ち主のことを思えば、帰宅する決心も鈍る。

 マツダスタジアムでは、試合が終わるとすぐに清掃が始まる。そこでごみでないものは、疑わしいものを含め、すべて「遺失物」として道下さんの元に集まる。駐車場に置き去りにされたベビーカーなども含まれる。

 所轄の警察署との協定で3カ月は球場が預かるのが決まり。日付ごとに分類し順次、倉庫に移して保管する。3カ月の期間が過ぎると、財布や時計など貴重品に分類されるものなどは警察に届ける。

 道下さんによると、携帯電話は1試合で2、3台は見つかる。持ち主が比較的早く紛失に気付くため最も返却率が高く、9割以上がスタジアムから直接持ち主に返却できるという。

 携帯電話ならではの特性もある。忘れ物に気付いた持ち主の多くが、まずは自分の電話に掛けてくる。それに対応するのも、道下さんの重要な仕事だ。

 着信音を聞き漏らさず携帯電話に出て、連絡がつけば一安心。ただ、1試合に80件以上も集まってくる忘れ物の対応に追われていると、音量が小さかったり、バイブレーションになっていたりして呼び出し音が聞こえづらいこともある。

 時には同時に2台の携帯電話が鳴り、あたふたすることも…。

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