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【ビジネスの裏側】カイロ、「脱季節」商品へ ターゲットは肩・腰・つま先

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カイロ、「脱季節」商品へ ターゲットは肩・腰・つま先

ビジネスの裏側更新

 冬の必需品、カイロの出番がやってきた。記録的な暖冬だった昨シーズン、カイロの売り上げは大きく落ち込んだが、今シーズンは寒くなるという予報で、業界は一息つけそうだ。とはいえ、各メーカーとも天気頼みのビジネスから脱するため、冷え性対策や肩こりに対応した温熱治療用など、健康に着目した商品開発に力を入れている。(安田奈緒美)

今年は好調

 「今年の11月は関西でも最低気温が10度を切る日が続き、カイロの売り上げが前年比1・9倍の週もありました」と話すのは、カイロ販売のトップシェアを有する桐灰化学(大阪市)の中村聖一郎社長。

 「11月にコートを出すと冬本番まで着用が習慣となるのと同じで、一度使い始めると手放せなくなるのがカイロ。今シーズンは期待できる」と、ほっとした表情をみせる。

 昨シーズン(平成27年から28年にかけての冬)は記録的な暖冬で、冬物衣料は販売不振、カイロ業界も大きなダメージを受けた。しかし今シーズンは、南米ペルー沖の海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」の影響で、寒くなるとの予報だ。

 同社の調べによると、昨シーズンは、業界全体の推定売上高が過去10年間で最低の約238億円にまで落ち込んだ。一方、過去10年間で売上高が最高だったのは、23~24年のシーズンで約339億円だった。

 中村社長は「気候に左右され、年によって上下変動が100億円近くある市場。そこで生き残るためにも、新しいカイロを常に開発していかなければならない」と話す。

1年中売れるカイロ

 そこで同社が着目したのが健康維持のためのカイロだ。昭和59年から医家向け、家庭向けの医療用具として厚労省から許可を得た「温熱パット桐灰」を製造し、平成17年には医療機器温熱シート「血流改善」の販売を開始した。

 さらに今年9月には、肩や腰などに貼ってこりを軽減させる「血流改善 アンメルツ温熱ワイドホットン」(実勢価格980円)などを発売。アンメルツは、13年から親会社となった小林製薬の外用消炎鎮痛剤のブランドで、訪日客の人気も高い。大阪市内のドラッグストアなどでは、残暑の厳しかった9月から予想を上回るペースで売り上げを伸ばしている。

 中村社長は「ヘルスケアカイロはまだカイロ全体の1割にも満たない市場だが、店舗では湿布などと並べて通年で販売でき、安定した収益を期待できる」と話す。

期待の足元用

 一方、マイコール(栃木市)は足元用カイロの開発に力を入れる。今年は靴下に貼る「オンパックス 上から貼るつま先用」(同348円)を新発売。カイロ発熱部と粘着シートの間に「保温スポンジ」を挟んだ独自製法により、つま先の違和感を抑えた。

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