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【衝撃事件の核心】「あくまでしつけだった」 発達障害の2歳長男を収納ケースに閉じ込め死なせた父、悲劇は防げなかったのか

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「あくまでしつけだった」 発達障害の2歳長男を収納ケースに閉じ込め死なせた父、悲劇は防げなかったのか

衝撃事件の核心更新

 「『ごめんなさい』のポーズをするので、しつけとして効果があると思っていた」-。奈良県生駒市で4月、長男=当時(2)=と長女(4)をプラスチックの収納ケースに閉じ込めて長男を死亡させたとして、会社員の父親(40)が監禁致死罪などに問われた事件。奈良地裁で9月にあった裁判員裁判で、父親は懲役3年の実刑判決を言い渡された。あくまでも「しつけ」だったという父親は公判で、「今となっては浅はかだった」と涙ながらに悔やんだ。子煩悩と評判だった父親はなぜ、残酷な犯行に及んだのか。背景には、子供の発育に悩み、相談しても解決の糸口すら見いだせなかった苦悩があった。

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発端は「リビングのテレビをたたいた」こと

 公判で明らかになった事件の詳細はこうだ。

 4月10日夕、2人の子供は自宅のリビングでテレビを見るなどして遊んでいた。両親ら家族4人で買い物に出かけ、帰宅した後だった。

 2人がテレビを間近で見ていたため、台所で夕食の準備をしていた母親(36)が「テレビを近くで見すぎたらダメ」と注意した。しかし2人は言うことを聞かず、テレビにかじりついたまま。しばらくすると、別室で仕事をしていた父親の耳に、「パシャーン」という大きな音が聞こえた。

 父親がリビングに駆けつけると、2人の子供はおもちゃでテレビをたたいていた。「ガラスが割れたら危ないだろ!」。2人の頭に「ゲンコツ」をしたが、テレビをたたくしぐさをやめない。「こういうことをもう2度とさせないようにしないと」と考えた父親は2人を和室に連れて行き、プラスチックの収納ケースに長男、長女の順に入れてふたをし、ロックをかけた。

 時刻は午後5時45分ごろ。台所で食事の支度中だった母親は状況を把握していたが、「前にもあったから大丈夫だと思っていた」という。

 約20分後の6時6分ごろ。父親がロックを外すと、長女はふたを押し上げて自力でケースを出て、両手を合わせて「ごめんなさい」のポーズをしてみせた。ところが、長男はぐったりしたまま。あわてた父親が110番し、長男は病院に搬送されたが、約7時間後に窒息による低酸素脳症で死亡。翌日、父親は殺人容疑で奈良県警に逮捕された。

しつけは「痛みや恐怖」で

 2人が閉じ込められた収納ケースは昨年8月、子供たちの「おもちゃ箱」用に購入したものだった。

 グレー色で、外から中は見えない。大きさは幅約53センチ、奥行き約35センチ、深さ約33・5センチ。長女は身長約96センチで体重16キロ。中にはCDやおもちゃも入っており、身長約90センチだった長男をうつぶせに入れた上に長女を重ねればほぼ隙間がなく、2人は身動きがとれない状態だった。

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