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霊柩車、カラー下着、ビアガーデン…大阪生まれのビジネスの発想を凝縮 女性ライターが新版

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霊柩車、カラー下着、ビアガーデン…大阪生まれのビジネスの発想を凝縮 女性ライターが新版

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 ビアガーデンや回転ずし、霊(れい)柩(きゅう)車が大阪生まれだったって知ってた? ノンフィクションライターの井上理津子さん(60)が、大阪発のあらゆるモノを紹介する新著『新版 はじまりは大阪にあり!』(清風堂書店)を出版した。「人のやらんことをやる」「お客さんに喜んでほしい」など、どの時代にも通じる大阪らしいアイデアがぎっしりと凝縮されている。(芦田彩)

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 井上さんは、大阪国際空港(伊丹空港)のグランドホステスや出版社での編集者経験などを経て、フリーライターに転身。府内での取材を続け、飛田新地(大阪市西成区)で生きる人々を追いかけた『さいごの色街 飛田』(筑摩書房、新潮社)はベストセラーになったことでも知られる。

 新著は、平成16~18年に月刊誌「月刊大阪人」(廃刊)で連載した記事に、新たに書き下ろしを加えた。19年に文庫本として出版したが、社会に閉(へい)塞(そく)感が漂うなかで改めて大阪の底力を知ってもらおうと出版を決めたという。

 「食」「物」「枠」「伝」「場」の5つのカテゴリーに分けて、回転ずしやカラー下着、プレハブ住宅など計30種の大阪で生まれたアイデアを紹介している。

 「刃の折れるカッターナイフ」を開発したことで知られる文具製造業「オルファ」(大阪市東成区)は、少しでも切れ味が悪くなったカッターナイフがそのまま捨てられるのを「もったいない」と思ったことが開発のきっかけになった。板チョコのようにポキッと折れるようにしたら便利ではないかなどとアイデアを出し合い、開発にあたったという。

 ビアガーデンも、大阪で起きたハプニングから生まれた。昭和28年、大阪第一生命ビル(当時高さ41メートル、12階建て)の屋上でオートバイの展示会を開催することになり、生ビールの飲み放題をつけることになった。この話題が新聞報道されると、展示会が終わった後も新しいもん好きの大阪人がどっと押し寄せ、エレベーターで屋上に上れない人が続出する騒ぎになり、翌29年に正式にビアガーデンが誕生した。

 井上さんは「どのアイデアも、いつの時代でも通じるものばかり。アイデアの肝心な部分は古びることはないことを知ってほしい」と話している。

 全304ページ。1944円。問い合わせは清風堂書店((電)06・6316・1460)。

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