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【熊本地震】「一過性のものではない」専門家指摘 南海トラフ巨大地震につながる内陸地震続発 西日本中心にこの20年

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「一過性のものではない」専門家指摘 南海トラフ巨大地震につながる内陸地震続発 西日本中心にこの20年

熊本地震更新
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 震度7を記録した熊本地震について、地震研究者からは、将来発生が想定されている南海トラフ巨大地震との関連性を指摘する声があがっている。過去にも巨大津波を引き起こした東南海、南海地震の前には、内陸型の大地震が発生しており、研究者らは「今回の地震を一過性のものと考えるべきではなく、警戒が必要だ」と呼びかけている。

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 「今後続けて内陸地震が起きる恐れがある」

 尾池和夫・京都造形芸術大学長(地震学)は、今回の熊本地震の影響について、こう警鐘を鳴らす。尾池氏は、熊本地震の震源地の付近には、複数の大規模な断層帯が確認されているほか、日向灘では過去にも頻繁に地震が起きていることから、特に九州での内陸地震の発生を警戒する。

 さらに尾池氏は、「紀伊半島や四国の北部を通る中央構造線断層帯での地震の発生にも警戒が必要だ」としており、内陸地震が続発する可能性を示唆する。

 国内では、内陸地震の後には、西日本の沖合を震源とする南海トラフ地震が100~200年周期で発生し、津波により大勢の死者を出す-という歴史を繰り返してきた。

 南海トラフ地震となった昭和19年の東南海地震、21年の南海地震の前には、鳥取地震(18年)、三河地震(20年)など1千~3千人が犠牲となる内陸地震が発生。尾池氏が「南海地震につながる内陸地震の始まり」と位置づける明治24年濃尾地震では、約7千人が亡くなっている。

 梅田康弘・京都大名誉教授(同)も「過去の事例でも、南海トラフ地震の前には、前兆のように内陸地震が活発化している」と指摘。一方、今月1日には三重県南東沖地震が起きており、「昭和の東南海、南海地震と同じメカニズムとみられ、南海トラフでの巨大地震を誘発した可能性もあった」と主張する。

 平成7年の阪神大震災以降、内陸地震が続いており、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)研究員の高橋成実氏は「将来の地震の発生時期を示すのは困難だが、南海トラフ巨大地震が起きることは分かっている。さまざまな機会をとらえ、備える姿勢を高めるべきだ」としている。