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消費者目線どこまで通じる?トクホとは違う「機能性表示食品」制度がスタート

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消費者目線どこまで通じる?トクホとは違う「機能性表示食品」制度がスタート

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 食品が体にどのように良いかを国の許可なしで表示できる「機能性表示食品制度」が始まった。科学的根拠を示した論文や製品情報などを届け出さえすれば、「脂肪の吸収を抑える」といった効果をアピールした商品を販売できる。これから、こうした商品が続々と登場しそうだ。

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 新制度は規制緩和の一環として導入された。国の許可が必要で審査に数年かかることもある特定保健用食品(トクホ)よりも、商品展開へのハードルが低いのが特長。中高年層を中心に健康志向が高まる中、新たな商機として大手から中小企業まで注目している。

 しかし、市民団体の「食の安全・監視市民委員会」は、これまでに届け出が受理された26商品のうち少なくとも17商品は科学的根拠が不十分だったり、表示方法が不適切だったりするとして、消費者庁に疑義情報を提出した。

 全国消費生活相談員協会は「事業者が正しい科学的根拠を提示するとはかぎらない。届け出をせず販売する事業者も出てくるかもしれない」と警鐘を鳴らす。

 当の消費者庁は「事後に商品を購入して調査することを検討している」などとするが、チェック体制はまだ固まっていないようだ。

 ある飲料メーカーの首脳は「『なんとなく効きそう』というだけで商品を出すことは絶対しない。科学的裏付けがある商品を作る」と力を込める。「最後に生き残るのは顧客が選ぶ商品。そうでないものは淘(とう)汰(た)される」からだ。根拠があやふやな商品では、研究開発投資も無駄になってしまうだろう。

 今回の規制緩和を健康増進や経済活性化に結び付けるために、国はもちろん企業も消費者目線での対応を徹底するよう期待したい。

 (中村智隆)