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100年前の神楽衣装、幻の麻布で修繕 椎葉村「古枝尾神楽」で使用 宮崎

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100年前の神楽衣装、幻の麻布で修繕 椎葉村「古枝尾神楽」で使用 宮崎

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 ■きょう公演でお披露目

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 重要無形民俗文化財「椎葉神楽」(宮崎県椎葉村)の一つで、同村古枝尾地区に伝わる「古枝尾神楽」の衣装が修繕された。100年以上前に大麻の布で作ったものだが、穴やほころびだらけになっており、一般社団法人「日本古来の大麻を継承する会」(山梨県北杜市)が修繕に協力した。10日午後1時から古枝尾センターでの神楽公演で、お披露目される。

 (南九州支局 谷田智恒)

 古枝尾神楽は、毎年12月の第2土曜日に奉納される。村人が烏帽子(えぼし)に「上衣」と呼ばれる衣装と、黒い足袋を身につけて演じる。上衣は大麻の布を使ったものを使用してきたが、古く、ボロボロになっていた。

 麻布は、大麻の茎の部分の繊維で糸を作り、それを編んだもの。江戸時代に木綿が普及する前は、広く使われていた。

 「日本古来の大麻を継承する会」は、この古来の麻布を次世代に伝承しようと活動する。同会によると、麻糸づくりに、本格的に取り組む人は、10人以下にまで減少した。麻布は“幻の布”といえる。

 今年6月、同会の河野さち子理事が古枝尾神楽保存会から衣装を託され、修繕に力を貸すことになった。会のメンバー20人以上が協力して麻糸を作ったという。

 大麻繊維研究家で大麻博物館(栃木県那須町)の高安淳一館長は「古来の大麻布を使って修繕することは、本当の意味で文化財を継承していくことになる。衣装を大切にし、伝統神楽を守ってほしい」と村にエールを送った。

 椎葉神楽の起源は不明だが、「唄教(しょうぎょう)」(唱え言)は室町中期以前と推測される。平成3年、重要無形民俗文化財に指定された。

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