産経ニュース for mobile

放置竹林活用で「方言入り」箸袋が人気 福岡のかまぼこ店2代目社長が製作

記事詳細

放置竹林活用で「方言入り」箸袋が人気 福岡のかまぼこ店2代目社長が製作

更新

 太宰府天満宮など九州の名所の絵に、方言を添えた手作りの箸袋が人気を集めている。袋の中には放置竹林から切り出し、作った竹製の箸が入っている。袋は福岡県などの主催するデザイン大会で話題となり、高速道路のサービスエリア(SA)などで販売が始まった。(奥原慎平)

                   ◇

 「博多にきんしゃい(きてちょうだい)」「やらしか(かわいいねの意味)」

 箸袋には、福岡の屋台や武雄温泉楼門(佐賀県武雄市)を描いた水彩画に、博多弁や佐賀弁の言葉がそっと添えられている。

 昭和29年に創業したかまぼこ店「豊島蒲鉾(かまぼこ)」(福岡市博多区)2代目社長の山口美栄氏(54)が作った。「なんこつ天ぷら」が名物で、演歌歌手の北島三郎さんらも福岡公演に合わせて買い求めるほどだ。

 山口氏はかまぼこ作りに限らず、書や絵でもその才能を発揮した。平成11年ごろ、常連客の要望にこたえ、のし紙や出産祝いの手紙を書き始めた。やがて、その柔らかな筆遣いが口コミで評判となった。

 25年からは豆腐料理の全国チェーン店「梅の花」(福岡県久留米市)のランチョンマットの絵も手掛けるようになった。「梅の花」には、大分県別府市の竹細工製造・販売業「山下工芸」が竹箸を納入していた。山口氏は放置竹林の問題を偶然、耳にした。

 竹は手入れをしないと他の樹木を駆逐するように増える。山下工芸は放置竹林対策として、九州地方に多い孟宗竹(もうそうちく)を伐採し、箸を作った。山口氏はそこで、箸袋を作ろうとひらめいた。150万円の私財を投じ、早速、22種類の柄模様の箸袋計2万7千枚を作った。

 それを昨年9月、福岡デザインアワード(福岡県など主催)に出展した。すると、来場者アンケートによる『一般人が「贈りたい!」部門』で1位に輝いた。山口氏には「私の会社でも売りたい」との声が舞い込むようになった。

 九州自動車道の古賀SA(同県古賀市)や長崎自動車道の川登SA(佐賀県武雄市)などでの販売が決まった。両SAを運営するロイヤル空港高速フードサービス西日本高速営業部長だった赤松純二氏は「箸袋には日本人の心の故郷といえる方言が、温かみのある字体で表現されている」と絶賛。山口氏は「少しでも放置竹林に関心を持ってもらいたい。九州の山林をきれいにしたい」と夢を語った。