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買い取り大手・ブロードリンクが九州進出 パソコン再利用市場拡大

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買い取り大手・ブロードリンクが九州進出 パソコン再利用市場拡大

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 パソコンの再利用(リユース)市場が拡大している。業界団体によると平成25年度のリユースパソコンの販売台数は過去最高の231万台に達した。中古パソコン買い取り・販売大手のブロードリンク(東京)は、データの完全消去による安全性向上を武器に地方進出を果たし、九州・山口でも多くの顧客をつかんでいる。

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 福岡空港近くにあるブロードリンク福岡支社(福岡市博多区)には連日、大量の使用済みパソコンが運び込まれる。大半は買い替えに伴い、企業や官公庁が売りに出した古いパソコンだ。その数は1カ月で約5千台に上るときもある。

 支社内ではまず、ハードディスクに残ったデータを完全に消去する。

 パソコンのデータ消去は厄介だ。消したと思っても、一定の知識のある人物が手を加えれば、データを復元できることがある。そのまま、第三者の手に渡れば、情報漏洩(ろうえい)の恐れが生じる。

 まっさらな状態にすることが、パソコンリユースの最低限の条件だといえる。同支社の作業場は、指紋認証キーなどセキュリティーも徹底している。

 ブロードリンクは、平成12年、榊彰一社長が設立した。仕事に欠かせなくなったパソコンだが、古いパソコンの処分に困る企業が多い。榊氏は「安心して廃棄できるシステム」の市場に着目した。

 同社は、完全にデータを消去するための特殊な機材や、技術者を有する。米国防総省が定めるデータ消去の規格も満たす。

 その技術力が評判を呼び、情報管理に気を使う中央官庁や裁判所、金融機関のパソコン処理も担うようになった。顧客は5千社以上に増えた。

 同社は、データ消去だけでなく、基本ソフト(OS)の再インストールや、液晶画面のバックライトなど消耗部品を交換した上で、リユース市場に売り出す。比較的高値で取引されることから、買い取り価格も高く設定できる。

 ブロードリンクによると、デスクトップやノート型など360台を産廃処理業者に依頼した場合、運搬やデータ消去なども含めて計85万円程度かかる。ブロードリンクに売却すれば、パソコンの状態にもよるが、処理費用がかかるどころか、50万円程度の売却益になるという。

 さらに、中古パソコンのニーズが高まっている。中小企業をはじめ、学校や学習塾で、コスト削減につなげようと、新品の半額以下の中古パソコンを購入するケースが増えている。

 一般社団法人、情報機器リユース・リサイクル協会によると、平成25年度に、リユース業者が買い取った使用済みパソコンは260万9千台、中古パソコンとして販売されたのは231万1千台に達した。いずれも過去最高だった。

 こうしたリユース市場は、徐々に地方にも広がっている。

 ブロードリンク福岡支社の保科尚剛支社長は「九州・山口は、中小企業が多いだけにわれわれのビジネスが役に立てるはず。パソコンリユース率を引き上げることは、社会貢献にもなる。将来的には全都道府県に拠点を置きたい」と語った。(津田大資)