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【防衛オフレコ放談】翁長雄志知事、迫られる踏み絵 那覇軍港移設で浦添埋め立て 容認すれば辺野古反対と矛盾

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翁長雄志知事、迫られる踏み絵 那覇軍港移設で浦添埋め立て 容認すれば辺野古反対と矛盾

防衛オフレコ放談更新
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 沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は4日投開票の名護市長選で米軍普天間飛行場=同県宜野湾(ぎのわん)市=の名護市辺野古移設阻止で結束する稲嶺進氏が敗れ、移設阻止に向けた態勢に綻びが生じた。態勢を立て直そうとしても、間もなく米陸軍那覇港湾施設(那覇軍港。那覇市、56ヘクタール)の移設をめぐり踏み絵を迫られることになる。逆に政府にとっては、日米安保体制の重要性に理解を示す一方、辺野古移設には反対する翁長氏の矛盾を突く「最強のカード」(政府高官)を突きつけるときが来た。(社会部編集委員 半沢尚久)

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地元の強い期待

 那覇軍港は那覇市の中心部に位置し、返還後の跡地利用に地元の期待が強い。沖縄の米軍基地負担軽減策として牧港補給地区の沿岸にある浦添埠頭(ふとう)地区(沖縄県浦添市)に移設することが決まっているが、曲折を経てきた。

 日米両政府が那覇軍港の浦添移設計画を打ち出したのは平成8年の沖縄特別行動委員会(SACO)合意だ。SACO合意後、浦添移設は地元の反対などで停滞し、25年4月に日米合意した沖縄の嘉手納基地(嘉手納町など)以南の米軍施設の統合・返還計画に組み込まれ、40年度の移設完了と那覇軍港返還を目指している。

 浦添市の松本哲治市長は25年2月に初当選した際は移設に反対していたが、27年4月に容認に転じている。

 移設先となる浦添埠頭地区周辺では市の開発計画も連動している。那覇軍港の代替施設の設置場所は確定していないが、防衛省は今春、移設場所で埋め立てに向けた環境影響評価(アセスメント)に着手することを決め、業者の選定作業に入った。

辺野古と同じ構図

 これにより、ようやく移設実現に向け動き出すことになる。

 繰り返せば、那覇軍港の跡地利用には地元の期待が強く、基地負担軽減にもつながり、受け入れる側の浦添市長も移設を容認している。移設を阻む要因は見当たらないのだ。

 ただ、不確定要素がひとつだけある。それが翁長氏の判断だ。

 那覇軍港の浦添移設は辺野古移設と同様に海面の埋め立てを伴う。既存の米軍の機能を県内の別の場所に移すという点でも辺野古移設と共通している。

 政府高官は「(翁長氏が)辺野古移設に反対するのであれば、那覇軍港の浦添移設にも反対するほうが主張としては一貫性がある」と指摘する。

 ところが、翁長氏は一昨年末、那覇軍港の浦添移設について容認する考えを表明している。保守政治家としてSACO合意を認める立場だからだという。

 これに対し翁長氏を支持する基地反対派と革新勢力には不満が広がった。彼らが主張する「基地の県内たらい回し」に翁長氏が加担したかのように映ったのだから当然の反応といえる。

写真ギャラリー

  • 沖縄県名護市長選で、辺野古の集落で稲嶺進氏(右)の応援演説をする翁長雄志沖縄県知事=1月28日
  • 米軍普天間飛行場移設に向けた護岸工事が進む沖縄県名護市の辺野古沿岸部=1月11日
  • 米軍普天間飛行場移設に向けた護岸工事が進む沖縄県名護市の辺野古沿岸部=1月27日午後
  • 米軍普天間飛行場移設に向けた護岸工事が進む沖縄県名護市の辺野古沿岸部=1月11日