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草津白根山噴火で警戒レベル3なのに町長が「レベル1」と言い張るワケ

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草津白根山噴火

草津白根山噴火で警戒レベル3なのに町長が「レベル1」と言い張るワケ

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 草津白根山の本白根山(もとしらねさん・群馬県草津町)で発生した噴火で、気象庁が3(入山規制)に引き上げた噴火警戒レベルについて、草津町の黒岩信忠町長が、噴火が想定された別の火口を前提に「噴火レベル1の変化はない」と安全性をアピールし続けている。両者の食い違いはなぜ起きてしまったのだろうか。(社会部 市岡豊大、前橋支局 住谷早紀)

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2度の修正後も貫く

 問題の発端は噴火発生後の25日、草津町が公式ホームページに「白根山の噴火レベル1の変化はありません」とする文書を掲載したことだ。「(噴火の熱で流水が大量発生する)融雪泥流の問題は火山の種類から考えられません」「サイエンスの観点から対応しておりますので、安心して草津温泉にお越しください」と黒岩町長の直筆サイン入りで主張している。

 同町総務課は「別々の噴火警戒レベルが併存している」として、今回噴火した「本白根山」に新たに警戒レベルが設定され、警戒対象だった「白根山」はレベル1のままとの認識を示した。

 しかし、あくまで草津白根山には全体で一つの警戒レベルが設定されている。気象庁火山課の担当者は「実際の運用と異なる」と指摘した。

 実は文書の表現は2度修正されている。1度目は当初、「草津白根山」のレベル1は変わらないとしていたところを「白根山」と修正。さらに認識の不一致を指摘する本紙報道後に「(想定火口だった湯釜のある)白根山の噴火警戒レベル1の規制範囲(500メートル規制)に変化はありません」と、レベル1なのは「規制範囲」と明示する形を取った。

町長が語るサイエンスとは

 だが、町は「レベル1」との表現は変えていない。本紙記者が黒岩町長を直撃してみた。

 --なぜ、当初は「それぞれの山に警戒レベルがある」と説明したのか

 「草津白根山は湯釜を持つ白根山、逢の峰、本白根山の3つがある。『草津白根山』というのは気象庁の内部的なとらえ方で、町としては山を3つに分けていた。(噴火前は)本白根山もレベル1だったというのは間違い。科学的に山を分けるという考え方」

 --気象庁と考え方が違うということか

 「いや、気象庁が内部の呼び方として『草津白根山』としている。ここの話です。サイエンスというのは、こっちで跳ねたら(噴火したら)全部の山でレベルが上がるのかというと、そうではない」

 --気象庁は全体を一つで考えている。

 「気象庁がレベル3としたことがあまりに影響が大きくなって、それをフォローする意味で気象庁は資料に(白根山の規制範囲は)『500メートル』と書いた。これがレベル3だと自動的に2キロになる。レベル1で0から500メートル、レベル2で1キロ、3で2キロというルールある。500メートルはレベル1相当。気象庁にも聞いたが『積極的に発表していないが、町長のおっしゃるとおりレベル1です』と。昨日、はっきり専門家が言っていた」

 --それで文面を変えたのか

 「私が言った内容は最初から全く変わっていない。ただ、誤解を招くから、(500メートル)と書いただけで、白根山はレベル1というのは全然変わっていない」

写真ギャラリー

  • 「草津白根山防災会議協議会」であいさつする群馬県草津町の黒岩信忠町長=1月24日午後、草津町役場
  • ライブカメラの増設などについて説明する黒岩信忠町長(中央)=1月29日、草津町役場