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【2018平昌五輪】文在寅政権に翻弄される韓国アイスホッケー女子 胸引き裂かれる選手 監督は「我々は餌?」

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南北合同チーム 文大統領の思惑どおりにな…

文在寅政権に翻弄される韓国アイスホッケー女子 胸引き裂かれる選手 監督は「我々は餌?」

2018平昌五輪更新
韓国のGKシン・ソジョンは南北合同チームに「胸が引き裂かれる思い」と吐露した(ロイター) 1/7枚

 北朝鮮の平昌五輪参加問題で、最も影響を受けたのが韓国の女子アイスホッケー・チームであることは衆目の一致するところだろう。韓国内に女子アイスホッケー・チームは代表だけという状況で、今回の問題がなければ誰も注目しなかったと韓国大統領府の幹部が揶揄するほどだ。そのためなのか。今回の問題は政府からの事前説明はなく、「南北対話」というお題目を唱える文在寅政権の政治的意図に翻弄されている。経済的に恵まれない中で努力し、間近に迫る五輪で出場機会を奪われる選手に韓国内からは同情論がやまず、選手らは傷つき、士気は低下し「胸が引き裂かせる思い」と心境を吐露する。五輪に政治を持ち込むべきではなかったはずではないか。

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 1月20日にスイス・ローザンヌで国際オリンピック委員会(IOC)、韓国、北朝鮮の各オリンピック委員会、平昌五輪の大会組織委員会の4者会談が開かれ、女子アイスホッケーで五輪初の南北合同チームが結成されることが正式に決定した。すると、韓国の女子代表チームを率いるサラ・マレー監督(30、カナダ)は自らのスマートフォン向けのメッセージアプリの背景画像を突如、オオカミの群れの写真に変更し、全てのオオカミの下に「KOREA」と記し「私たちは猛獣か、それとも餌か?」という文章を添付したと朝鮮日報が報じた。

 同紙は南北合同チームに関して「マレー監督の複雑な心境を垣間見ることができる部分だと解釈される」と指摘した。

 北朝鮮選手12人が追加され、韓国チーム23選手と合わせて35人の大所帯になる。だが、競技エントリーは他国との公平性のため22人に限定される。そして、試合ごとに3人の北朝鮮選手を出場させなければならない。昨年4月に韓国・江陵で行われた世界選手権で、韓国は北朝鮮に3-0で勝利。中央日報によると、サッカーの点差よりも大きな実力差が出る点数だという。マレー監督は当時、韓国の控え選手の方が北朝鮮選手よりも優れていると語っている。

 となれば、勝利のためには北朝鮮選手をリンクに出す必要性はないのだが、出場させなければ反発が予想され、チーム内の和を崩しかねないという懸念がある。中央日報によると、男女アイスホッケー代表のモットーは「奇跡」という。世界ランク22位の韓国(北朝鮮25位)が平昌五輪1次リーグB組で格上のスイス(6位)、スウェーデン(5位)、日本(9位)に対し「200%の力を発揮できたとしても奇跡が起こせるかどうかなのに」とGKシン・ソジョン(27)は朝鮮日報に語り、北朝鮮選手の合流に戸惑いを見せている。

 文化体育観光省の都鍾煥(ト・ジョンファン)長官らは合同チームに「何ら問題はない」という認識を示したが、12人も北朝鮮選手が加われば、韓国代表で最初からリンクに立てない選手が出てくるのは自明。シン・ソジョンは苦楽を共にしてきた仲間として「そういう姿を見たら胸が引き裂かれるような思いになるだろう」と心境を吐露。不安な状況に「選手たちは傷つき、士気も下がった状態だ」と明かした。

写真ギャラリー

  • 韓国のサラ・マレー監督(左)は「私たちは餌か?」と憤った(AP)
  • 韓国のアイスホッケー選手は代表手当だけで競技を続けてきた(ロイター)
  • 2017年4月の世界選手権で、韓国チーム(白)と北朝鮮チーム(赤)は合同で写真に収まっていた(AP)
  • 平昌五輪に参加する米国代表(写真左、20)と韓国代表(写真右、上)は義姉妹だという(ロイター)
  • 南北合同チームとなり、出場機会が奪われる韓国選手は士気の低下が著しい(ロイター)
  • 初めて南北合同で練習するアイスホッケー女子の選手=1月28日、韓国中部・鎮川(大韓体育会提供・共同)