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【野口裕之の軍事情勢】反習近平派の拠点、中国人民解放軍「瀋陽軍区」が北と通じてクーデターを計画している!

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反習近平派の拠点、中国人民解放軍「瀋陽軍区」が北と通じてクーデターを計画している!

野口裕之の軍事情勢更新
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 北朝鮮の核ミサイルはワシントンや東京を狙っているとは限らない。北京も含めるべきではないか。一方で、小欄の目には北朝鮮と中国の国境が映らなくなっている。「対立する北朝鮮と中国」「中朝一体化」という一見矛盾する情勢のナゾ解きが、今次小欄のテーマ。ナゾ解きは衝撃的な結末を迎える。 

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 旧満州東部からロシア沿海州南西部、つまり朝鮮半島に接する中国側は李氏朝鮮時代(1392~1910年)以降、多数の朝鮮人が移住した。深い森林でおおわれ、朝鮮総督府の支配も届かず、無頼の朝鮮人や支那人の匪賊・馬賊の格好の根拠地となった。越境して朝鮮半島北部(現・北朝鮮)の町村を襲撃、無辜の朝鮮人らへの略奪・殺戮を繰り返した。絵に描いたごとき無法地帯であったのだが、「無法地帯」は現在も変わりがない。ただし、支那人の匪賊・馬賊は中国人民解放軍になり、北朝鮮襲撃ではなく、逆に武器・エネルギー・食糧・生活必需品を密輸し、支援している。国連や日米韓などが北朝鮮に経済制裁を科している状況をよそに、密輸とは不届き千万だが、中国人民解放軍が制裁の動機である北朝鮮の核・ミサイル開発まで支援しているという観測が、安全保障関係者の間で流れている。現下の厳しい制裁にもかかわらず、なぜ北朝鮮が経済力を保ち、核・ミサイル開発の技術的向上を続けられるのか? なぜ金正恩指導部が強気の姿勢を転換しないのか? この観測で説明できる。

 「朝鮮半島の非核化」を進めたい旨を公言する習近平・国家主席はウソつきということになるが、ウソをつかせる複数の要因が存在する。例えば、そもそも人民解放軍は、軍中央の支配が届きにくい半ば独立した軍閥。従って、習主席に逆らってでも北朝鮮を支援したい軍閥と、習主席に忠誠を誓う軍閥に大別される。背景には利権と政争が薄汚く絡み合う。北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止するには、北を支援する中国人民解放軍を習近平派の人民解放軍が掃討しなければ、決着がつかぬやもしれない。中国国内で、内戦が始まるのだろうか。

 核開発物資を密輸した中国人女性の後ろ盾とは?

 北朝鮮が5回目の「核実験」を行った9月以降、実験もさることながら、中朝国境の川・鴨緑江の向こう側の動きが気になる。中国の公安当局は、遼寧省を拠点にする女性実業家を逮捕した。高濃度ウランを生み出す遠心分離機用の金属・酸化アルミニウムなど核開発関連物資や、戦車用バッテリーなど大量の通常兵器の関連部品を北朝鮮に密かに売りつけていたという。密輸物資には、戦略物資の重油も含まれていた。女性実業家は模範的共産党員だった。

 鴨緑江の向こう側には人民解放軍の中で最も精強で、機動力にも優れる《北部戦区(旧・瀋陽軍区)》が陣取る。女性実業家逮捕の報に接し、真っ先に浮かんだのは、遼寧省も管轄下に置く北部戦区であった。女性実業家が一党独裁国家の厳しい監視網を逃れたのは、北部戦区の後ろ盾があったからこそではないのか。

 朝鮮戦争(1950~53年休戦)の戦端が再び開かれる事態に備え、かつ、かつて戈(ほこ)を交えた旧ソ連(現ロシア)とも国境を接する領域を担任している旧瀋陽軍区に、軍事費が優遇され、最新兵器が集積されているのは軍事的合理性にかなう。大東亜戦争(1941~45年)以前に大日本帝國陸軍がこの地に関東軍を配置したのも、軍事的要衝ゆえだ。

 しかし、人民解放軍全体を俯瞰すると、合理的な体制とは言い難い。確かに、全軍統率機関=中央軍事委員会主席を兼任する習国家主席は、共産党による「シビリアン・コントロール(文民統制)」や軍中央の統制力を強化するべく、軍制改革を大胆に進めてきた。

 改革前、軍の最大単位は7個の《軍区》であった。これを5個の《戦区》に再編したが、再編前と後の主な変化は次の2つ。

 《かつて軍区が有していた軍区内の兵員・装備に関する整備といった軍政は、中央軍事委員会に新設された『国防動員部』へと移譲。戦区は作戦立案と、作戦に沿った訓練・演習に特化された》 

 《戦区内に所在する陸海空軍やロケット軍の各軍種、民兵や予備役などを、戦時でなくとも統合運用できることとなった》

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