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【経済インサイド】東京・西日暮里製の高級畳がUAE・ドバイに大量輸出 イグサの香りと自然な風合いが欧州でもブームに…

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東京・西日暮里製の高級畳がUAE・ドバイに大量輸出 イグサの香りと自然な風合いが欧州でもブームに…

経済インサイド更新

 人口減少などにより国内市場が縮小していく中、畳店や小物雑貨など内需依存の中小・零細企業が海外市場に目を向け始めた。海外が認める高品質・高付加価値ブランド「メード・イン・ジャパン」に、手作りにこだわる熟練職人が創り出した本物志向が加われば、海外で受け入れられると判断したからだ。増加する訪日外国人客やインターネット環境の整備による電子商取引の拡大も追い風だ。

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 6月21日、日本固有の文化といえる畳が東京・西日暮里の畳店からアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに向けて運び出された。新国立競技場の当初案をデザインしたザハ・ハディド氏が設計したオペラハウス内の日本料理店から急遽、注文が入り製作した。

 2代目の森田精一氏が代表を務める森田畳店には海外から電話やインターネットを通じて頻繁に注文や問い合わせが入る。輸出担当で3代目の隆志氏は「24日にはドイツの禅道場向けに特大畳を30枚送る。このほかにドイツとイタリアにも輸出する」とカレンダーを眺めながら指を折る。6月の輸出は4件で出荷先は3カ国。5月は9件で相手国は全て違った。

 直接、畳店を訪れる訪日客もいる。予約なしでいきなり入ってきて「イグサを壁に張ってインテリアにする」と買っていった米国人女性や「日本を去るので畳を持って帰るという駐日大使館員もいる」と隆志氏は振り返る。

 輸出は2000年、海外に住む日本人からの「畳の上でゴロンとしたい」などの声に応える格好で始めた。今ではイグサの香りに魅せられた外国人リピーターも獲得、出荷先は53カ国に達した。

 10年10月にサウジアラビアのリビアに送った70枚の畳はワンフロア一面に敷き詰められたが、4畳の堀ごたつや丸柱、暖炉などもあって「現地の設計士と1年以上も図面をやりとりして完成させた」と精一氏は懐かしむ。欧州の古城を買って屋根裏部屋を畳敷きにしたり、大型ヨットの内装に畳表を使ったりと、思いもよらない活用法に驚かされることも少なくない。

 海外売り上げは右肩上がりで増え、今や4割を占める。「その比率は年々、高まっている」という。和室のない新築住宅が増えるなど内需が減っているからで、畳店も職人の高齢化や後継者難から減少の一途だ。

 一方、森田畳店は将来を見すえ、外国人向けにホームページを充実、英語とフランス語でも対応している。海外で簡単・安価に畳を手に入れられる「畳メイキングキット」も開発した。