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【世界の議論】「2030年にミニ氷河期」大論争 英研究チームが衝撃の警告…気になる大論争の行方

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「2030年にミニ氷河期」大論争 英研究チームが衝撃の警告…気になる大論争の行方

世界の議論更新

 日本をはじめ主要国が地球温暖化対策として、15年後の2030年をターゲットに温室効果ガスの削減目標を設定しようとするなか、その2030年には地球に「ミニ氷河期」がやってくる-。英国の研究チームが数学モデルに基づき発表したこんな衝撃的な研究結果が欧米で大論争を巻き起こしている。この研究チームは、新たな算定方法で、太陽の活動周期をもとに、ほぼ100%の確率で15年後にはミニ氷河期がやってくると警告している。

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「太陽の活動、60%減」

 英紙インディペンデントや米紙ウォールストリート・ジャーナル(いずれも電子版)などによると、この研究結果は、英ノーサンブリア大で応用数学や天文学を専攻するバレンティーナ・ザーコバ教授の研究チームが今月、英ウェールズで開かれた王立天文学会の国立天文会議で発表したものだ。

 太陽の活動についてはドイツの天文学者、ハインリッヒ・シュワーベ博士(1789~1875年)によって、10~12年周期で変化することが分かっている。

 その後、多くの太陽物理学者によって、太陽の奥深くで起きる発電効果が太陽活動の周期に影響を与えていることが判明したが、太陽の活動が将来どうなるかを予測することは困難とされてきた。

 しかし、ザーコバ教授率いる研究チームは、太陽の表面近くでも発電効果が起きていることを突き止めた。研究を進めて、太陽内部の異なる2層でそれぞれ電磁波を発見。それをもとに算定したところ、黒点が今後、大きく減少して30年には、太陽の活動が現在の60%減と大幅に低下してミニ氷河期が到来することが分かったという。

 太陽天文学者の間では、黒点が大幅に減少する「マウンダー極小期」にミニ氷河期が起きるとされている。

 こうした現象は、ロンドンのテムズ川が凍結した1645~1715年以来になるが、この時も黒点が大幅減少していたという。

「地球の気温に影響ない」

 ザーコバ教授は「現在の太陽活動周期のデータと比較したところ、われわれの予想が97%の確率で正確だと判明した」と胸を張っている。

 だが、この発表に他の気象・気候研究者たちが、「地球の気温の変化は太陽活動によるものではない」と猛反発している。米CNNの専属気象学者、ブランドン・ミラー氏は、CNNに「今のわれわれの太陽周期の詳細予測の能力は、ハリケーンの発生予測と同様、非常に精度が低い」と明言し、今回の研究データそのものを疑問視。

 また、米ペンシルベニア大で気象学を教えるマイケル・マン名誉教授はワシントン・ポスト紙に電子メールで「太陽活動が地球の気温に与える影響はほとんどなく、地球温暖化は今後何十年間も続く」と述べ、ミニ氷河期の到来を否定する。

NASAの元技術者も懸念

 また、米海洋大気庁(コロラド州)の宇宙天気予報センター(SWPC)に勤務するダグ・ビーセッカー氏もCNNに「太陽は地球の気候変動に影響を与えているが、その役割は支配的なものではない。太陽活動のせいでミニ氷河期が起きるという概念は絶対真実ではない」と、今回の研究結果を強く否定している。

 では、ザーコバ教授の主張は荒唐無稽なものなのか-。思い起こせば、米航空宇宙局(NASA)のコンサルタントやスペースシャトルの技術者を務めたジョン・ケイシー氏もザーコバ教授と同様の懸念を表明している。ケイシー氏は昨年9月に出版した自著「ダーク・ウインター」で、ミニ氷河期の到来で穀物の不作や食糧暴動が発生する可能性があると警告し、話題となった。

 果たして、地球は温暖化に向かっているのか、それともミニ氷河期が到来するのか-。この論争は2030年まで続く?