産経ニュース for mobile

【森友文書】文書書き換え 大阪地検、刑事罰か慎重に見極め 幹部「事件より政局の印象」

記事詳細

森友文書問題

文書書き換え 大阪地検、刑事罰か慎重に見極め 幹部「事件より政局の印象」

森友文書更新
東京・霞が関の財務省。「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の書き換え認める方針を固めた=10日夜 1/4枚

 森友学園との国有地取引をめぐり、財務省が決裁文書を書き換えたとされる疑惑は、同省が書き換えを認める方針を固めたことで大阪地検特捜部の捜査への影響が注目される。「道義的な問題なのでは」との見方もあり、検察当局は刑事罰に相当するかどうか慎重に見極めるとみられる。

<< 下に続く >>

 財務省庁舎(東京都千代田区)や財務省近畿財務局の入る庁舎(大阪市中央区)は10日夜、週末のためか、職員の姿はほとんどなかった。財務省庁舎には報道関係者が出入りし、一部の幹部や部局の部屋には深夜まで明かりがともっていた。

 特捜部は、近畿財務局が不当に安い価格で国有地を学園に売却したとする背任罪のほか、交渉記録を廃棄したとする公用文書毀棄(きき)や証拠隠滅の罪で告発状を受理している。関連資料の分析や職員らへの事情聴取を進める中で、決裁文書の書き換えという新たな疑惑が浮上した。

 今後、この書き換えは立件されるのか。大阪地検特捜部OBの弁護士は公文書変造罪などに問われる可能性があると指摘しつつ、「文言が異なるだけでただちに罪になるということはなく、書き換えの程度やその動機も考慮しなければならない」とも話す。ただ、「財務省が自分たちに不都合な文言を決裁後に修正したとなれば動機としては悪質だ」とする。ある検察幹部は「内容的に大きく変わっていなければ刑事罰に問うのは難しい。事件というより政局の話という印象だ」と冷静な見方を示した。

 一方、文書の書き換えについて、近畿財務局のある職員は「一般的には決裁途中で内容が変更されることは頻繁にあるが、決裁後の文書を書き換える行為があったとしたら考えられない」。ある省庁の職員も「こんな不祥事は前代未聞」と驚きを隠さず、「誰が書き換えたのか、誰が指示したのかが今後の焦点になる」とした。

 近畿財務局に交渉記録の情報開示請求をしてきた神戸学院大の上脇博之(ひろし)教授(憲法学)は「合理的に説明できない不都合な点を隠したとしか思えない」と批判。近畿大の上崎哉(うえさき・はじめ)教授(行政学)は「森友問題の発覚当初からきちんと文書を出していたら、ここまで問題が長期化、拡大することもなかった。情報をきちんと作成、管理し、開示するのが民主主義を支えていることを再確認しなければならない」と指摘した。

写真ギャラリー

  • 「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の書き換えを認める方針を固めた財務省の通用口=10日午後、東京都千代田区・財務省(納冨康撮影)
  • 国会議員らに開示された、森友学園との国有地取引に際して財務省が作成した決裁文書(一部画像処理しています)
  • 森友学園をめぐる経過