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「サイバー防衛局」見送りへ、新設の余地乏しく官邸が難色か 「攻撃で大規模交通事故も」と疑問の声

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「サイバー防衛局」見送りへ、新設の余地乏しく官邸が難色か 「攻撃で大規模交通事故も」と疑問の声

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 政府が総務省の要望していたサイバーセキュリティー専門局の新設を見送る方向で最終調整に入ったことが9日、分かった。モノのインターネット(IoT)時代の到来でサイバー攻撃の危険性の増大が懸念され、総務省は省庁で初のセキュリティー専門局を新設して対策を強化する考えだった。だが、政府全体の局数が法律で定められており新設の余地が乏しいことなどから、官邸が難色を示しているという。

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 北朝鮮などからのサイバー攻撃リスクも高まる中、局の新設を見送り対策がおろそかになれば、政府の姿勢が問われることにもなりかねない。

 総務省が新設を目指す「情報セキュリティ政策局」は、これまでの課から局に格上げし、人員拡充を図るなど体制を整備して、政府全体のサイバー攻撃対策を強化するためのものだ。総務省は、さまざまな機器がインターネットにつながるIoT時代では、想定していなかったような大規模なサイバー攻撃が起きる恐れがあるとみている。

 局新設の構想は高市早苗前総務相が掲げて、野田聖子総務相が引き継いだ。総務省は8月末に平成30年度の機構・定員要求で新設を求め、官邸と調整を進めてきた。「高市氏は麻生太郎財務相や菅義偉官房長官とも今年4月から交渉を進めてきた。麻生氏から内諾を得ていたようだ」(総務省関係者)。しかし、政府全体の局の定数が残り2つしかないことなどを理由に官邸は、新設を見送る方針を示してきたという。局の定数は国家行政組織法で97と定められており、現在の局数は95に達している。官邸は代案として、総務省のサイバーセキュリティー担当の政策統括官の下に参事官を増員するなどの体制強化を検討しているという。

 サイバー攻撃に詳しい政府関係者は「例えば準天頂衛星の『みちびき』が攻撃を受けると滑走路や道路などの誤情報を流せる。そうなれば飛行機や自動車の大規模な事故も起き得る。対策の強化は急務だ」と見送り方針を疑問視している。