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【地方再考】私設Co-Minkanで人のつながり創出 デンマーク参考に新しい「茶の間」目指す

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私設Co-Minkanで人のつながり創出 デンマーク参考に新しい「茶の間」目指す

地方再考更新
「見知らぬお客さん同士をどうつなげるか悩むことも」と語るCo-Minkan館長の能塚翔子さん。カフェの店長でもある=横浜市保土ケ谷区 1/1枚

 高齢化社会に伴い独り暮らしの住民が増える中、地域で社会的な孤立を防ごうと、公園や空き店舗などを活用した人と人の“つながり”を目指す「私設公民館」(Co-Minkan)が注目されている。企画や運営に住民自ら参画することで、市民講座などを中心に行政が運営するものとは機能が異なる。趣味や娯楽、悩み相談など身近な話題を元に出会いや対話する空間の創出を目的とし、地域の人と情報の拠点として期待されている。

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 先月、横浜市保土ケ谷区にあるカフェ「見晴らしのいい場所」が「Co-Minkan」としてオープンした。地元の人々が思い思いの会話を楽しみ、子供たちが店内と外を行ったり来たりと、にぎやかな雰囲気を醸し出していた。店内では子供向けの遊びのイベントや健康相談なども日替わりで企画される。

 「誰でも自由にやってきて少しずつ顔なじみを増やし、地域をちょっとずつ良くしていこうとするたまり場がCo-Minkanの役割です」

 こう話すのは、「見晴らしのいい場所」のほか、秋田県でも私設公民館の開設に携わった「Co-Minkan」普及委員会の西上ありささん(38)。地域の課題を地域で暮らす住民が解決していくコミュニティーデザインに携わる「スタジオL」の創設メンバーの一人だ。

 西上さんは「Co-Minkan」プロジェクトに取り組む前に社会教育施設である全国の公民館の活用状況などを調査。その結果、「多くは貸スペースのようになっており、生活課題を解決する本来の役割を果たせずにいる。年配者を中心に限られた人しか出入りできない施設となる傾向があり、公民館自体が消滅の危機だ」と話す。

 文科省作成のパンフレット「公民館」によれば、その役割について「つどう(気軽に集うことができる)」「まなぶ(興味関心から知識や技術を学ぶ)」「むすぶ(ネットワークを形成する)」と明記。人づくり、地域づくりに貢献することを定義していることから、「Co-Minkan」ではこうした「公民館思想」を取り入れ、私設の新しい“茶の間”を目指すことにした。