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【歴史戦・第17部新たな嘘(上)】韓国で染みついた「奴隷」イメージ 背景に複雑な賃金計算法 「『意図的な民族差別』事実と異なる」韓国人研究者が結論

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韓国で染みついた「奴隷」イメージ 背景に複雑な賃金計算法 「『意図的な民族差別』事実と異なる」韓国人研究者が結論

歴史戦・第17部新たな嘘(上)更新
朝鮮人労働者の賃金明細書=韓国・釜山の日帝強制動員歴史館所蔵(三輪宗弘九州大教授提供) 1/2枚

 日本統治下で国内の炭鉱などに動員された朝鮮人たちは劣悪な環境で「奴隷」のように働かされた。給与もないか、あっても少額にすぎなかった-。こんな一方的な見方が韓国内では定着している。国際社会でもナチス・ドイツのユダヤ人強制労働と同列であったとのイメージは広がりつつある。

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 果たしてこれが「真実」なのかと疑問に思い、終戦前の資料を基に調査を行った韓国人研究者がいる。日本統治が朝鮮半島の近代化に与えた影響を調査する落星台(ナクソンデ)経済研究所の研究員、李宇衍(イ・ウヨン)(50)だ。

 李は賃金支給の実態を無視した研究では、当時の実像をゆがめることになると考えた。炭鉱や金属鉱山で働いた朝鮮人労働者の賃金がどの程度支払われ、日本人労働者との賃金格差はどれくらいだったのか。李は炭鉱会社や業界団体の資料を中心に、朝鮮半島出身者の日本国内での労働状況を丹念に調べた。

 李は国内の主要炭鉱山における待遇状況に関する昭和15年の『半島人労務者に関する調査報告』(日本鉱山協会発刊)から、46カ所の炭鉱山の平均データを抜粋した。

 食費や税金、労働者の浪費を防ぐための「強制貯蓄」など固定費を控除すると、賃金のうち平均43・5%が「小遣い」として自由に使用できたと計算した。

 当時、政府や炭鉱会社側は半島に残した家族への送金や貯金を推奨したが、飲食費や賭博、洋服購入に充てる者もいた。韓国内で定着しているような「奴隷労働」とは異なる実態が浮き彫りとなった。

 では、朝鮮人労働者と日本人との間に賃金格差はあったのか。

 拒否すれば罰金・懲役が科せられる「徴用」も含めて、半島出身者に適用された労務動員では給与が支払われていた。

 さらに、次官級通達や閣議決定を通じて、日本政府は「待遇について可能な限り内地人労働者との間に差別がないよう」などと国内の雇い主に要求していた。

 個別の炭鉱でも、李が賃金支給表を確認すると大きな賃金格差は見られなかった。昭和17年の日立鉱山(茨城県)では、半島出身者の1日の平均収入は2・42円と、2・39円の日本人をわずかに上回り、明治鉱業赤池炭鉱(福岡県)の20年1月~同年7月の平均賃金はともに4・82円と格差はない。

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