産経ニュース for mobile

日本版「NCAA」創設を検討 政府・与党 大学スポーツ統括機関

記事詳細

日本版「NCAA」創設を検討 政府・与党 大学スポーツ統括機関

更新

 政府・与党が、種目をまたいで大学スポーツを一元管理し、収益力強化の戦略を練る統括機関を創設する方向で検討を始めたことが29日、分かった。米国で1千校以上が加盟し、年間約1千億円の収益を上げている「全米大学体育協会(NCAA)」をモデルに制度整備を進める。政府は名目国内総生産(GDP)600兆円達成に向け、5月末にもまとめる成長戦略に「スポーツの成長産業化」を盛り込む方針で、その一環として大学スポーツの振興を目指す。

<< 下に続く >>

 制度設計はスポーツ庁が中心となって進める。参考とするのは、米国の非営利団体「NCAA」。加盟校の試合開催などを手掛け、年間収入はプロスポーツ並みに達する。収入の約8割は、バスケットボールの全国トーナメントといった人気競技のテレビ放映権料などが占めている。

 政府は、新たな統括機関を大学スポーツ全体の収益力強化の「司令塔」と位置付け、テレビ放映などのコンテンツ戦略や集客戦略の立案を任せる。大学スポーツ施設を地域へ開放し、地方のスポーツ産業活性化につなげる。

 収益は大学やチームにも還元し、選手強化や施設拡充の費用に充ててもらって競技レベルやコンテンツとしての付加価値の向上に結び付ける。これにより、放映権料が値上がりし、さらに収益が拡大する「好循環」を期待する。将来的には、対象を高校スポーツに広げることも念頭に置く。

 日本の大学スポーツでは東京六大学野球や箱根駅伝が人気だが、運営主体がバラバラな上、スポーツを「教育」ととらえる風潮が強く、ビジネス面での取り組みは遅れていた。

 少子化が進む中、日本は新たな成長分野の発掘が急務となっており、次の成長戦略には初めて、重点分野にスポーツを盛り込む。政府はスポーツ市場の規模を、平成27年の5・5兆円から、10年後の37年に15兆円まで拡大する方針だ。

 全米大学体育協会(NCAA) 米国の大学スポーツ全般を統括する非営利団体で1906年に設立。現在、24の競技種目にまたがる1121の大学が加盟している。競技会開催やスポーツクラブ同士の連絡調整を行うほか、試合のテレビ放映権の管理なども手掛ける。会計資料によると、2015年の収入は放映権料を中心に約9億1235万ドル(約977億円)に上った。