産経ニュース for mobile

年金支給漏れ10万人598億円、過去最大規模

記事詳細

年金支給漏れ10万人598億円、過去最大規模

更新
社会保障審議会の部会で、約598億円の年金支給漏れについて報告した厚労省と日本年金機構の幹部ら=13日午後、東京都千代田区 1/1枚

 厚生労働省は13日、公務員らが加入する共済組合と日本年金機構との間の情報連携不足などが原因で、約10万6千人に総額約598億円の年金の支給漏れがあったことを、社会保障審議会年金事業管理部会で明らかにした。支給漏れは過去最大規模。1人当たり平均で56万円、最高で590万円の支給漏れがあった。約4千人はすでに死亡していたという。

<< 下に続く >>

 対象者の96%は夫婦のどちらか一方が公務員。国家公務員と地方公務員が5割弱ずつで、残りが私学共済の加入者となる。厚労省は対象者に通知を送った上で、11月をめどに未払い分を全額支払うという。時効は適用しない。

 支給漏れがあった分は、夫婦の間で基礎年金の上乗せ部分を付け替える「振替加算」と呼ばれる制度(平成3年開始)。この制度では、夫と妻の年金受給記録(年金原簿)を突き合わせて確認する作業が必要だが、共済組合と年金機構の間で、「妻の年金受給開始時期」といった必要な情報が伝えられないなどの不備があり、振替加算の手続きができず未払いになったケースが出た。

 こうしたトラブルはこれまでも指摘されてきた。年金機構によると、22年2件、23年15件、24年23件の報告があり、27年は575件、28年は832件と急増。27年10月に共済年金が厚生年金に一元化されたことに伴い、年金機構側が共済の情報連携システムを利用できるようになったことで、昨年12月から、全ての支給漏れ状況の総点検を進めてきた。

 ほかに、システムに多くの不要な情報が混在し、受給者の個別の確認に対応できる仕様でなかったケースや、職員が年金原簿を確認する際に処理を誤っていたケースがあった。