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第157回芥川賞・直木賞贈呈式 沼田真佑さん「シンプルな暮らしに戻ります」 佐藤正午さん「佐世保でものを書き続けます」

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第157回芥川賞・直木賞贈呈式 沼田真佑さん「シンプルな暮らしに戻ります」 佐藤正午さん「佐世保でものを書き続けます」

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沼田真佑さん 1/2枚

 第157回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の贈呈式が先月25日に東京都内で開かれ、デビュー作で芥川賞を受けた沼田真佑さん(38)が喜びを語った。直木賞の佐藤正午さん(62)は体調不良を理由に式を欠席したが、担当編集者を通じてメッセージを寄せた。

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 沼田さんの受賞作『影裏(えいり)』(文学界5月号)は東日本大震災を背景に男同士の交友を描く。選考委員の山田詠美さんは、文章の巧みさを挙げ「修業しても得られないギフト(才能)だと思う。大事にしてください」とたたえた。

 「絵に描いたような若輩者ですが一つだけ方針を立てました。それは『質素に暮らす』こと。明日からまたシンプルな暮らしに戻ります」。壇上でそう宣言した沼田さん。会場に招いた親族や知人たちに触れ「腐りかけたときに一緒に飯を食ってくれたり、自暴自棄になったとき長電話に応じてくれたり、金のないときに金をくれたり。(受賞によって)この方たちに少しお礼ができる」と話した。

 佐藤さんの受賞作『月の満ち欠け』(岩波書店)は愛する男性との再会を願い、何度も生まれ変わる女性の物語。選考委員の伊集院静さんは「奇妙な小説だが、人間の死の形は何なのか、をお書きになったのでは」と語った。

 長崎県佐世保市在住の佐藤さんはこの日が62回目の誕生日。担当編集者が代読したメッセージでは、「佐世保で誕生祝いをしているわけではありません」と笑いを誘い、周囲への感謝の言葉を連ねた。「これからも佐世保で頑張って仕事を続けなさい-という励ましの意味で賞をいただけたのだと理解している。ものを書く仕事を続けること、それ以外にこの直木賞という得難い贈り物へのお返しの方法はないと思います」(海老沢類)

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