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【書評】切々とつづられる滅びゆく者たちの覚悟と葛藤『会津執権の栄誉』佐藤巖太郎著

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切々とつづられる滅びゆく者たちの覚悟と葛藤『会津執権の栄誉』佐藤巖太郎著

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『会津執権の栄誉』佐藤巖太郎著 1/1枚

 著者の単行本デビュー作にして第157回直木賞の候補になった連作歴史小説。戦国時代の会津を舞台に、伊達政宗に滅ぼされた芦名家の重臣や足軽ら、さまざまな立場の人物の侠気(おとこぎ)を描く。

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 嫡流の血が途絶え、常陸の佐竹家から婿養子として当主を迎えた芦名家では、家臣団の足並みが乱れていた。会津の執権と呼ばれた家臣筆頭の金上盛備(かながみ・もりはる)は、何とか引き締めを図るが…。1章読み切りの形で、滅びゆく者たちの覚悟と葛藤が切々とつづられる。敗者だけでなく、最終章には政宗の苦悩も入れ込み、厚みのある人間模様が織り上げられた。(文芸春秋・1450円+税)